1996 Fiscal Year Annual Research Report
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06660296
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮崎 毅 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (00209892)
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Keywords | 相似 / スケーリング / 乾燥密度 / 空気侵入値 / 飽和透水係数 / Cambell法 / コゼニ-カルマン法 |
Research Abstract |
最終年度である本年度は、当初計画に加えて、圃場の透水係数と乾燥密度の相関を求め、これに新しく発想した非相似モデルを適用し、モデルの予測能力を確かめた。本方法の有効性が高いと判断されたので、以後これを非相似概念(NSMC)及び非相似概念モデル(NSMCモデル)と呼ぶこととした。 粘土4.8%、シルト11%、砂84%の粒度分布を持つノ-フオ-ク砂質ローム圃場の試験を用い、飽和透水係数の乾燥密度依存性をNSMCにより予測したところ、形状係数τを0.75ないし0.8とすると、非常によく実測値と一致した。土の形状係数が1に近いときは単粒土、ρ〓ρ_sの値で求まるτ値の下限値に近いときは団粒土の性質を持つと言えるのが、この土の場合τの下限値は0.7なので、この圃場の土は比較的団粒に富んでいるものと推測された。なお、コゼニ-・カルマン法の予測値は、実測値と比較的良い一致を示したが、キャンベル法は飽和透水係数を著しく過大に予測した。 粘土20〜25%、シルト32〜38%、砂36〜45%の粒度分布を持つ埼玉県深谷市の沖積粘土ローム圃場の試料を用い、同じように比較したところ、乾燥密度と透水係数には全く相関が見られなかった。従って、NSMCモデルを適用することができなかった。この土壌は、硬度が高くても透水性が低くない場合、間隙率が小さくても透水係数が大きい場合など、予測に反する数値が多数得られた。これは、土壌にマクロポアが発達しているためで、このような土壌では、圃場土壌の物理性をよく代表するような間隙特性長、固相特性長、固相形状係数を求めなければんらないことが分かった。
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[Publications] T.Miyazaki: "Bulk Density Dependence of Air Entry Suctions and Saturated Hydraulic Conductivities of Soils" Soil Science. 161,(8). 484-490 (1996)
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[Publications] 中野 宮崎 塩沢 西村: "土壌物理環境測定法" 東京大学出版会, 236 (1995)