1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06660299
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
清水 英良 岐阜大学, 農学部, 助教授 (90144005)
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Keywords | 水利構造物 / 耐震設計 / 地震危険度 / 異方性 |
Research Abstract |
ダム建設が予定されている基礎泥岩地盤において現場弾性波実験を実施し、またサンプルの室内実験(共振法・超音波法・三軸圧縮実験)により、P・S波速度、ヤング率Eを成層方向と成層直交方向についてそれぞれ求めた。得られた知見は以下のようである。 1.現場弾性波実験より、P・S波速度とも深部にいくにつれて連続的に増加する拘束圧依存性が認められた。この傾向は地表に近い地点ほど顕著であった。また、P波速度は、成層方向・成層直交方向ともほとんど同一の値となったが、S波速度は、成層方向の値が成層直交方向の値の約1.5倍となり、異方性の影響が認められた。 2.室内超音波実験より、P波速度は成層方向・成層直交方向の値ともほぼ同一であり、それらの値は現場弾性波実験から得られた地中部の値ともほとんど一致した。 3.共振法によるヤング率の値は、成層方向の値が成層直交方向の値の約1.5〜2倍となり、三軸圧縮試験により得られた値は、成層方向が成層直交方向に比べて約2〜2.5倍となり、両者の差はあるものの顕著な力学的異方性が認められた。また、三軸圧縮試験の結果より、ヤング率においても拘束圧依存性が認められた。 以上の結果より、層状堆積泥岩において、明瞭な異方性が確認された。また、拘束圧依存性も存在し、引き続き室内実験を実施することによりこれらの事項を定式化して構造者〜地盤モデルを作成し、併せて地震最大入力加速度を歴史地震データの統計処理によって推定することにより、ダム築堤後の耐震信頼性を評価・検討していく予定である。
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