1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06660300
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
井上 宗治 三重大学, 生物資源学部, 教授 (10024580)
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Keywords | 締固め / 圧密試験 / 一面セン断試験 / 砂質土 / 粘性土 / ゼロ空気間綜曲線 / 過圧密 / 正規圧密 |
Research Abstract |
締固め土の圧縮性と強度性状との相関性を調べるにあたって,締固め試験,圧密試験,一面セン断試験を同時併行的に実施した.このうち一面セン断試験は今回申請した中型一面セン断試験機を用いている・この研究から得られた知見の概略は以下の通りである. 1)締固め曲線の最適な数式表現法を見い出すことができた. 2)締固め試験と圧密試験結果を乾燥密度〜含水比グラフ上に同時にプロットすることにより,両者の相関性が明かになった.すなわち,砂質土では試料の初期含水比が高いほど圧縮直線の傾きは緩やかで,粘性土の場合は試料の初期含水比に無関係に等傾度の圧縮直線となった・これらの直線と締固め曲線との交差点が締固め応力に相当するものと考えられる.また,圧縮直線がゼロ空気間隙曲線を大きく越える現象がとくに粘性土において顕著にみられたが,これは土の骨格構造の弾性変形に起因するものと判断される. 3)一面セン断試験から得られる土の強度定数については,砂質士の定圧セン断では内部摩擦角φは試料の初期状態に無関係にほゞ-定値を示しており,これはこの土固有の内部摩擦角であると考えられる.粘性土の定圧セン断では強度定数は初期含水比の影響を強く受ける結果が得られた. 4)定体積セン断における応力パスの形は,砂質土では左(応力の低い側)に凸の曲線形となり,過圧密領域としての性状が顕著に現れており,粘性土では圧密降伏応力(P_c)を境に左に凸と右に凸(正規圧密領域の性状とみなされる)の特徴的な応力パスが得られた。 最終的に締固め土の応力〜ひずみ関係の定量的確立を目指して今後も本研究を続行していくつもりである.
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