1995 Fiscal Year Annual Research Report
ジオテキスタイルを用いた畑地土壌内の物質移動制御法
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06660301
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
清澤 秀樹 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (50093125)
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Keywords | ジオテキスタイル / 土壌水分移動 / 溶質移動 / 塩類集積 / 不飽和透水係数 / 畑地かんがい |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、高分子多孔質膜からなるジオテキスタイルを土中に敷設することで、作物根群域内の土壌水分と溶質の移動を制御する可能性を検討した。今年度の主な成果は次のとおり。 1.カラム実験によると、地表付近の乾燥土壌内を除き、溶質フラックスは水分フラックスにほぼ比例し、しかも移流効果による割合が大きく、溶質移動の制御には液状水移動の制御が重要であることを認めた。 2.一般的な畑地で普遍的にみられる気象条件および地下水条件を類型化し、数値シミュレーションにより水分フラックスを求め、かなりの部分が時間の関数と深さの関数の積からなる近似式で表されることを示した。 3.ジオテキスタイル層が存在する場合についても、2と同じ手法で土壌水分変化を求める近似式を誘導し、シミュレーションやカラム実験の結果と比較して適合性を確かめた。この近似式に基づけば、ジオテキスタイルの厚さや透水性、敷設深と、蒸発時にその層を横切って上方に移動する溶質量との関係を予測できる。 4.実際の圃場の地表付近での塩類濃度測定値は、シミュレーションによる変動と傾向的に一致したが、測定値のバラツキも大きかった。これは、土壌の不均一性や土壌構造の影響のほかに、TDRケーブルテスターによる水分量と溶質濃度の同時測定の習熟度の不足によると思われる。今後、センサー部の改良を含めて、更に実証試験を続ける予定である。 5.温度勾配下の水分・溶質移動や、土壌のイオン交換の影響等については個別に検討を重ねたが、ジオテキスタイルによる土層改良に生かすには未解決の問題も多く、今後の課題とせざるを得なかった。
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Research Products
(1 results)