1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06670161
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
櫛 泰典 東京医科歯科大学, 医学部・分子医化学, 助手 (60177988)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
六川 千秋 東京医科歯科大学, 医学部・分子医化学, 技官
|
Keywords | ABO式血液型 / 糖転移酵素 / α1→3-N-アセチルガラクトサシン / α1→3ガラクトース / 型活性糖脂質 |
Research Abstract |
人ABO式血液型を司るのはO型糖鎖を前駆体としてA型の人ではA型糖鎖を作るα1-3N-アセチル-ガラクトサミン転移酵素、B型の人ではB型糖鎖を作るα1-3ガラクトース転移酵素の存在が知られ、その存在の有無が大きく関連している。本研究はAB型人赤血球の型活性糖脂質を詳細に検討した結果を基にして細胞表面のA型糖鎖、B型糖鎖発現をAB型の人ではどのように調節されているのか解明するための細胞生物学的研究として 1。AB型の人ではA型合成酵素とB型合成酵素の両方が存在し、O型糖鎖を基質として糖鎖の伸長を行うが分岐したO型糖鎖にA型糖鎖とB型糖鎖が結合したハイブリッド型の糖鎖が存在しないのか? 2。ないとすればA型合成酵素とB型合成酵素は基質に対して親和性が異なるのか?あるいはA型合成酵素の局在とB型合成酵素の局在がGolgiで異なるのか?3。また、基質となる分岐型のO型糖鎖がGolgiでどのように存在するのか?を中心に研究を行い、以下の結果を得た。 AB型の赤血球膜を個別に集め、これより糖脂質を抽出し、型活性を調べ、既に100例を増やしても糖脂質としては各々の分子上に型活性糖鎖が結合していることが更に確認された。より簡便に検討するためにα1-3ガラクトサミン特異的PHAレクチンを用いて酵素分解との組み合せの実験も上の結果を支持した。また、ハイブリッド型の糖鎖が存在しないかどうか更に確認するためにいくつかの特異的糖鎖分解酵素とその後の薄層クロマトグラフィーでの免疫染色を行った結果、その様な分子種は存在しないことが明かにされた。血液型物質が多量に含まれる小腸や大腸について病理組織を用いて検討し、酵素と基質の局在を転移酵素タンパクの合成ペプチド抗体を用いて検討し、7年度には合わせて糖タンパク糖鎖、特にセリン、スレオニン型糖鎖についても糖脂質の局在と同様に調べる予定である。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Yoshino,H.,Miyatani,N.,Saito,M.,Ariga,T.,Lugaresi,A.,Noman,L.,Kushi,Y.,Kasama,T.,and Yu,R.K.: "Isolated bovine spinal motoneurons have specific ganglioside antigens recognized by sera from patients with motor neuron disease and motor neuropathy" J.Neurochem.59. 1684-1691 (1992)
-
[Publications] Yoshino,H.,Ariga,T.,Noman,L.,Miyatake,T.,Kushi,Y.,Kasama,T.,Handa,S., and Yu,R.K.: "Fucosy1-GM1 in human sensory nervous tissue is a target antigen in patients with autoimmune neutropathies" J.Neurochem.61. 658-663 (1993)
-
[Publications] Ren,S.,Ariga,T.,Scarsdale,J.N.,Zhang,Y.,Slominski,A.,Livingston,P.O.,Pitter,G.,Kushi,Y.,and Yu,R.Y.: "Characterization of a hamster melanoma-associated ganglioside antigen as 7-O-acetylated disialoganglioside GD3" J.Lipid Res.34. 1565-1572 (1993)
-
[Publications] Ariga,T.,Tao,R.V.,Lee,B.-C.,Yamawaki,M.,Yoshino,H.,Scarsdale,N.J.,Kasama,T.,Kushi,Y.and Yu,R.K.: "Glycolipid composition of human cataractous lenses:characterization of Lewis^X glycolipids" J.Biol. Chem.269. 2667-2675 (1994)