1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06670471
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Research Institution | NIPPON MEDICAL SCHOOL |
Principal Investigator |
大野 曜吉 日本医科大学, 医学部, 教授 (70152220)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仁平 信 日本医科大学, 医学部, 助教授 (40089636)
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Keywords | 中毒 / トリカブト / アルカロイド / アコニチン / 動物実験 / GC-MS |
Research Abstract |
本研究では、毒性の極めて強いアルカロイドであるアコニチンの体内での薬物動態を、動物を用いて検討することを目的とした。従来このような報告が見られなかったのは、アコニチンの中毒レベルでの血液等からの定量が極めて困難であったためである。そこで我々は、本学に設置されているGC-MS(日立二重収束質量分析計M-2500)を用いたselected Ion monitoring法によって定量分析を試みた。本年度は前年度に引き続き、水柿らの方法に則り、再現性を検討した。その結果、一連の抽出段階でほぼ安定した成績を得ることができるようになり、また、ヒパコニチンを内部標準物質として用いることで、アコニチンの良好な微量定量を行うことが可能となった。そこで、前年度行った動物実験で採取・保存した血液資料についてアコニチンの定量を行った。その結果、マウスに対し、腹腔内投与0.30mg/kg投与群では、投与15分後で17.2mg/mlと最高血中濃度となり、以後、ほぼ指数関数的に低下し、120分後で5.93ng/mlとなった。また、0.35mg/kg投与群では、同様に投与15分後で32.1ng/mlと最高血中濃度となり、120分後で10.7ng/mlとなった。これらの血中濃度一時間曲線を片対数グラフ上にプロットし、ほぼ直線となる投与後30分以降の血中濃度から薬物除去速度定数(K_<e1>)を求めると、0.3mg/kg投与群で0.00718/min、0.35mg/kg投与群で0.00835/minと計算され、半減期(T_<1/2>)はそれぞれ、96.5min、83.0minと算出された。以上より、アコニチンの生体内における代謝・消失速度は、その血中濃度と濃度依存的関係にあることが明らかとなった。更に、本年度は、同様投与濃度のアコニチンに対し、その非競合的拮抗物質であるテトロドトキシン0.01mg/kgを同時投与した動物実験を既に実施し、昨年度と同様に試料を保存した。現在、その定量を行い、テトロドトキシン同時投与時のアコニチン消失速度について、最終段階の検討を進めている。
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