1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06670493
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
右田 昌宏 熊本大学, 医学部, 助手 (10244120)
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Keywords | IL-5 / 好酸球増多症 |
Research Abstract |
(1)寄生虫感染がオクタロニ-法またはELISA法にて確定した患者数名を用いて、血清中のIL-5濃度を我々が独自に開発した抗マウスIL-5モノクローン抗体と抗ヒトIL-5ポリクローン抗体によるサンドイッチELISA法にて測定した。 (2)患者末梢血単核球を分離した後、数種類の寄生虫抗原で刺激し、その培養上清中のIL-5濃度を測定した。その結果ウエステルマン肺吸虫症と診断された患者末梢血単核球はウエステルマン肺吸虫症抗原にのみ反応しIL-5を産生するが、他の寄生虫抗原には反応しなかった。つまりこれら患者末梢血単核球は抗原特異的にIL-5を産生することが示された。 研究代表者等は以前より、マウスIL-5およびIL-5受容体についての詳細な研究を行なってきた。またヒトにおいてはIL-5が好酸球と特異的に結合し、その生存を維持することも既に報告した(Migita et al 1991・Cell.Immunol.・133(484-497))。寄生虫感染症に好酸球増多が伴うことはよく知られた事実であり、その機序としてIL-5の関与が示唆されている。しかしPHA等の非特異的刺激でIL-5産生が見られたとの報告はあるが、生体内での反応を反映しているとは言えず、生体内に存在する抗原特異的刺激によりIL-5が産生されることの、直接的な証明は未だなされていない。本年度の研究により血清学的に生体内に存在したと確認された抗原の刺激により、複数の患者ヒト末梢血単核球培養上清中からIL-5が検出され、初めての直接的な証明ができた。
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