1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06670563
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
千々岩 芳春 九州大学, 医学部, 助手 (90188475)
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Keywords | 消化管 / 平滑筋細胞 / ANP / TRH |
Research Abstract |
当研究室で確立した消化管の単離平滑筋細胞を用いる実験系にてAtrial Natriuretic Peptide(ANP)が大腸輪走平滑筋細胞に対し直接弛緩作用を有すること、その弛緩作用はadenylate cyclase阻害剤やmembranous guanylate cyclase阻害剤による影響を認めず、nitric oxide合成阻害剤およびsoluble guanylate cyclase阻害剤により有意に抑制されることを認め、ANPの大腸輪走平滑筋細胞弛緩作用は血管平滑筋細胞の場合と異なりnitric oxide産生、soluble guanylate cyclaseの細胞内情報伝達機構を介することを明らかにした。またANPのfragmentであるANP1-11は弛緩作用を示さないこと、ANP1-11がANPの大腸輪走平滑筋細胞弛緩作用を有意に抑制することを認め、ANPの弛緩作用にはANP1-11のアミノ酸配列は関与したないこと、更にANP1-11がANPのantagonistとして作用することを明らかにした。またANPの弛緩作用がVasoactive Intestinal Peptide(VIP)のantagonistであるVIP10-28により有意に抑制されること、VIPの大腸輪走平滑筋細胞弛緩作用がANPのantagonistであるANP1-11により有意に抑制されることを認め、ANPとVIPが受容体レベルで競合する可能性が示唆された。そこでbinding assayを施行し、VIPが標識ANPの特異的結合を抑制する成績を得、ANPとVIPが同一の受容体に結合することを明らかにした。 Thyrotropin releasing hormone(TRH)も大腸輪走平滑筋細胞に対し直接弛緩作用を有し、その弛緩作用はadenylate cyclase阻害剤による影響を受けないことよりTRHの平滑筋細胞弛緩作用にはcyclic AMP産生は関与しないことを明らかにした。
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