1994 Fiscal Year Annual Research Report
高血圧症における経口的マグネシウム投与の降圧機序と脳卒中発症予防に関する研究
Project/Area Number |
06670718
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
斎藤 公明 神戸大学, 医学部・付属病院, 助手 (10235038)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金 鐘一 神戸大学, 医学部,付属病院, 医員
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Keywords | 食塩感受性高血圧 / マグネシウムイオン / カルシウムイオン / ナトリウムイオン / Na-K-ATPase / 交感神経活性 |
Research Abstract |
本研究では、食塩感受性高血圧に対して経口的にマグネシウム(Mg)を投与し、その降圧効果の有無と、生存率に及ぼす影響を検討し、細胞内電解質代謝の面から機序を明らかにしようとした。食塩感受性高血圧モデル動物としてDahl食塩感受性(SS)ラットを用い、4%NaCl食摂取下に1%MgO(850mgMg/100g)補充群と非補充群に分け、4週間飼育した。その結果収縮期血圧はMg補充群で第3周目以降、非補充群に比し有意に小であり、また生存率は大であった。4周後断頭採血し、血球細胞として脾臓リンパ球を用い細胞内遊離カルシウム〔Ca^<++>〕iおよびマグネシウム〔Mg〕iをFura-2AM,Mg-Fura-2により蛍光分光光度計にて測定した。〔Ca〕iはMg補充群で非補充群に比し、有意に小であり血圧と正相関を認めたが、〔Mg〕iは明らかな差を認めなかった。一方細胞内ナトリウム〔Na〕iに関してはMg補充群を惹起することが示唆された。一方組織内ノルエピネフリン含量の上昇がMg補充群で認められたことより、ノルエピネフリン代謝回転率の低下が示唆され、Mgの降左機序に交感神経系の抑制の関与することが示唆された。交感神経活性の変化は、細胞内Ca流入特性、Ca貯蔵動態に影響を与え、〔Ca〕iのMg補充のよる低下に関与すると考えられ、Mgの降左機序に関連すると推測された。以上の結果に基づいて、細胞内Ca制御機構の変化を現在検討中である。
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