1994 Fiscal Year Annual Research Report
短時間虚血による心筋preconditioning効果の加齢による変化-K^+チャンネルの役割-
Project/Area Number |
06670743
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
谷 正人 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (50163613)
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Keywords | 再灌流傷害 / preconditioning / 心筋虚血 / 加齢ラット / K^+チャンネル / Ca過負荷 / 老化 |
Research Abstract |
3月齢WKYラット(70匹)をLangendorff手技で灌流した。対照群では25分間の持続虚血と30分間の再灌流を行った。PC群では5分間の短時間虚血と5分間の再灌流を一対としたPCを3回行い、同様に25分間の完全虚血と30分間の再灌流を行った。左室機能指標:PC群と対照群の30分間再灌流後の左室収縮期圧に差を認めなかった(対照群:52.7±4.9、PC群:53.8±2.4mmHg)。対照群の25分間虚血作成前の左室拡張末期圧およびPC群のPC作成前のその間に差を認めなかった(対照群:0.8±0.5、PC群:1.0±1.0mmHg)。30分間再灌流後の左室拡張末期圧は対照群で14.3±3.3mmHgに上昇したがPC群では1.3±1.3mmHgの上昇に留まった。30分間再灌流後の左室発生圧の回復は対照群(50.1±5.0%)に比しPC群は良好だった(73.9±8.1%)。心筋エネルギー代謝産物:虚血作成前、再灌流直前および再灌流後の各時点のPC群の心筋ATP、CP、lactate含量は、対照群と差がなかった。心筋^<45>Ca^<2+>取り込み量:25分間虚血作成前の心筋^<45>Ca^<2+>取り込み量に両群間で差を認めなかったが30分間再灌流後の心筋^<45>Ca^<2+>取り込み量は対照群の3.15±0.32μmol/gdwtに比し、PC群で1.29±0.18μmol/gdwtで低値であった。心筋筋小胞体^<45>Ca^<2+> uptake:25分間虚血開始直前時点の筋小胞体^<45>Ca^<2+> uptake率にはRyanodine非処置下、前処置下のいずれも両群間に差がなかった(対照群;非処置下:34.4±1.9、前処置下:48.7±2.1、PC群;非処置下:30.3±3.4、前処置下:44.3±3.1nmol/分/mg)。30分間の再灌流終了時点では筋小胞体^<45>Ca^<2+> uptake率は薬剤非処置下、前処置下のいずれも^<45>Ca^<2+> uptake率はPC群に比較し対照群で大であった(対照群;非処置下:45.3±1.9、前処置下:77.7±8.8、PC群;非処置下:24.3±1.8、前処置下:36.1±2.2nmol/分/mg)。
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