1995 Fiscal Year Annual Research Report
慢性腎不全の成長障害-ヒトおよびマウス骨芽細胞を用いた検討
Project/Area Number |
06670789
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山本 威久 大阪大学, 医学部, 助手 (30231674)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 小百合 大阪大学, 医学部, 助手
島 雅昭 大阪大学, 医学部, 助手 (10252660)
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Keywords | 腎不全 / 成長障害 / 骨芽細胞 / PTH / ビタミンD応答レポーター遺伝子 |
Research Abstract |
小児期慢性腎不全における骨代謝障害は成長障害の原因の一つとして重要であり、その主要な要因として二次性副甲状腺機能亢進症が提唱されている。また、腎不全患者血清中には多くのuremic toxinが存在することが知られている。我々は、本年度、ヒトPTHおよび腎不全患者血清を用いて、慢性腎不全における1,25(OH)_2D_3情報伝達異常のメカニズムについてマウスのcell-lineであるMC3T3-E1を用いて検討した。 《材料及び方法》 血液透析中の慢性腎不全患者8名(男6名、女2名、48〜88歳)より透析前に血液を採取し、血清を凍結保存した。また、human 1-34PTHは0.1%BSAを含む0.9%NaClに10^<-4>Mの濃度に溶解し凍結保存した。 《方法》 10%FCSを含むα-MEMを用いて、MC3T3-E1細胞をP60 dishあたり3〜2.5×10^5個播き、48時間後培地を交換し、ラットオステオカルシンのビタミンD応答領域(VDRE)を含むビタミンD応答レポーター遺伝子(CT4)_4-TK-GH(アリゾナ大学生化学M.R.Haussler教授より供与)をリン酸カルシウム法を用いてトランスフェクションした。血清を含まないα-MEMで細胞を洗った後、vehichle,10%正常血清、10%腎不全血清、10^<-4>MPTHを含むα-MEMに培地交換し、0.1%エタノールまたは10^<-8>M1,25(OH)_2D_3を添加した。96時間後に、ビタミンD応答レポーター遺伝子の誘導を反映する培養上清中のGHをELISA法にて測定し、1,25(OH)_2D_3非添加群に対する1,25(OH)_2D_3添加群のGH濃度比を検討した。 《結果》 vehicleと正常血清、腎不全血清、10^<-4>MPTH群の間で各々内因性ビタミンDレセプターによるビタミンD応答レポーター遺伝子の誘導に明らかな差を認めず、腎不全血清が、骨芽細胞増殖・分化に及ぼす影響について更に検討を加える必要があると思われた。
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