1994 Fiscal Year Annual Research Report
抗人ロリクリン単クローン抗体の作製と各種皮膚疾患におけるロリクリンの局在の検討
Project/Area Number |
06670850
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
松尾 忍 旭川医科大学, 医学部, 助教授 (60125408)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂井 博之 旭川医科大学, 医学部, 助手 (50205712)
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Keywords | ロリクリン / 単クローン抗体 / ハイブリドーマ |
Research Abstract |
マウスハイブリドーマ法を用いて抗人ロリクリン単クローン抗体作製のために、抗原として、既知のヒトLoricrin遺伝子から判明しているアミノ酸配列を用いてLoricrinのN末端部を蛋白合成し、マウスを免疫する抗原を作成した。この合成蛋白をさらに牛thyroglobulinと結合させたものを最終的な抗原として使用した。Balb/Cマウスを用いて作製した抗原で免疫し、マウスハイブリドーマ法を用いて単クローン抗体の作成を行った。合計で2回マウスハイブリドーマ法を施行した。スクリーニングとして、抗原を用いたELISA法および人正常皮膚を用いた免疫組織化学法を行った。その結果、免疫組織化学的方法により、ヒト皮膚有棘層中層から顆粒層にかけて、表皮細胞の細胞質内に陽性所見を認めるクローンが1個得られた。本年度行ったハイブリドーマ作製によって、われわれはヒト表皮細胞を認識する単クローン抗体のクローンを得た。本抗体が認識する抗原の局在は、免疫組織化学的検討では有棘層中層から顆粒層にかけて認められる。従来のポリクローン抗体の抗ロリクリン抗体での局在では顆粒層を主とする比較的上層に局在が認められている。この局在の違いがどのような理由によるのか、抗体の認識する抗原の分子量などについてウェスタン免疫ブロテッティング法などを用いてさらに検討を加える。またインボルクリン、フィラグリンなどの他の正常表皮におけるcornified envelop構成蛋白との交差反応性について検討する。
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