1994 Fiscal Year Annual Research Report
尋常性症瘡の発症機序の解明のための皮膚の保水機能と脂質代謝に関する研究
Project/Area Number |
06670856
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
山本 綾子 新潟大学, 医学部, 助教授 (00200783)
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Keywords | 尋常性症瘡 / 保水機能 / スフィンゴ脂質 |
Research Abstract |
症瘡患者と健常人対照者の類部を被験部位として、皮脂の分泌量や角質細胞間脂質の組成と水分バリアー機能の関係を検討した。その結果吸着法で測定した3時間あたりの皮脂分泌量は、中等症の患者では対照群より高値であった。しかし軽症の患者と対照群では皮脂分泌量の差はなかった。角質細胞間脂質の組成の比較では、スフィンゴ脂質が、軽症、中等症ともに対照群より低値を示した。さらに症瘡患者では、症瘡の重症度に従って水分バリアー機能の低下がみられ、しかもスフィンゴ脂質の低下とよく一致した。水分バリアー機能の低下は、上皮の過角化をもたらす可能性がある。そこでこれらの成績より、角層のスフィンゴ脂質の減少による水分バリアー機能の低下が、毛包の上皮の角化を亢進させ、面皮包が形成される機序を推察した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 竹之内 薫子: "尋常性症瘡における角層のwater-barrier functionと脂質組成の検討" 日本皮膚科学会雑誌. 104. 973-977 (1994)
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[Publications] 山本 綾子: "尋常性症瘡の発症病理について一保水機能を中心に-" 日本皮膚科学会雑誌. 104. 1678-1680 (1994)
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[Publications] Ayako Yamamoto: "Impaired water-barrier function in acne vulgaris" Archives of Dermatological Research. in press.