1994 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトの概日リズムに及ぼす高照度光の影響に関する研究
Project/Area Number |
06670949
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
松本 三樹 旭川医科大学, 医学部, 講師 (80219518)
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Keywords | 交代勤務 / 交代勤務睡眠障害 / 概日リズム / 高照度光 / 臨床時間生物学 |
Research Abstract |
交付申請書に記載した「研究目的・研究実施計画」に基づいて研究を行い,以下のような結果が得られた。なお,対象は健康な男子大学生5名(年齢20.0〜27.7歳,平均24.5歳)である。 1.高照度光照射時に夜間のメラトニン分泌および直腸温の低下が有意に抑制された。 2.高照度光照射時に夜間の自覚的眠気と自覚的疲労感が有意に軽減した。 3.高照度光照射時のsleep propensity(1時間当たりの総睡眠時間)は室内灯照射時に比べて6:00〜10:00では軽減(短縮)したが,10:00〜18:00ではむしろ増強(延長)し,特に14:00〜15:00ではその差が有意であった。 以上の結果から,深夜勤務中における高照度光の照射は深夜勤への適応を容易にし,かつ,勤務後の日中の睡眠を安定化させる可能性があると考えられた。また,その作用機序の一つとして高照度光の即時的効果(夜間のメラトニン分泌抑制)の関与が推定された。 今後の研究の展開に関しては,本研究と同様の短期型深夜勤務モデルを用いて,1夜の高照度光照射がその後の昼間および夜間睡眠に及ぼす影響についてポリグラフ的に評価することが必要である。また,1夜の高照度光照射がヒト概日リズムの位相変化に及ぼす影響について詳細に検討する必要がある。
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