1995 Fiscal Year Annual Research Report
APOC-11遺伝子と晩期発症型アルツハイマー病との相関研究
Project/Area Number |
06670986
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
野々村 安啓 大阪医科大学, 医学部, 助手 (70228344)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米田 博 大阪医科大学, 医学部, 助教授 (30140148)
堺 俊明 大阪医科大学, 医学部, 教授 (20084874)
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Keywords | アルツハイマー病 / APO-C11 / 関連 |
Research Abstract |
Pericak-Vanceら(1991)は、晩期発症型アルツハイマー病が、第19番染色体長腕と連鎖することを報告し、またSchellenberg(1992)らは、晩期発症型家族性アルツハイマー病と、第19番染色体上に存在するAPOC-11遺伝子との間に弱い連鎖を認めたと報告している。このように晩期発症型アルツハイマー病は、19番染色体上に病的遺伝子が存在すると考えられるものの、結論を見るまでには至っていない。我々は、晩期発症型孤発例アルツハイマー病患者とAPOC-11遺伝子の多型性との相関を検討した。対象は、NINCDS-ADRDAにより、probable Alzheimer' s diseaseと診断された晩期発症型のアルツハイマー病33例(平均75.3歳±5.8)及び対照群92例(平均46.4±10.0)である。これらの対象よりDNAを抽出し、APOC-11遺伝子の第3イントロンをPCR法により増幅した。得られたPCR生成物について目的のDNA領域が増幅されているかを確認し、アガロースゲルで電気泳動した後、エチジウムブロマイドで染色し、バンドの同定を行った。APOC-11遺伝子は、第3イントロンに40bpの繰り返しが6回と7回みられ、この配列回数に多型性が認められる。繰り返し配列の回数の違いにより、375bp(1),335bp(2)の2本のバンドが同定できる。アルツハイマー病では1の遺伝子頻度は、0.303、2の遺伝子頻度は0.697であった。対照群では1の遺伝子頻度は0.179、2の遺伝子頻度は0.821であった。両群間で1の遺伝子頻度に有意差があった。即ちAPOC-11遺伝子が晩期発症型アルツハイマー病の病因遺伝子であるか、または病因遺伝子の近傍に位置している可能性が高いことが示唆された。以上の結果を第9回日本老年精神医学会、第7回国際老年精神医学会、第4回国際精神科遺伝学会議に発表した。
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