1995 Fiscal Year Annual Research Report
大腸全摘術後の代償機構と回腸嚢作成の意義についての研究
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06671320
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
康 謙三 近畿大学, 医学部, 講師 (00183327)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
香山 仁志 近畿大学, 医学部, 助手 (30247994)
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Keywords | 大腸全摘術 / J pouch reservon / 腸管通過時間 / 胃排出能 / Lactulose-hydrogen breath test / PYY / GLI |
Research Abstract |
大腸全摘術後早期には頻回の水様下痢便に悩まされるが、次第に軽快してくる。この消化吸収能の改善には肛門活約筋の温存と便貯留能を有する回腸嚢の作成が、重要な役割をはたしている。われわれは、臨床研究でLactulose-hydrogen breath testをもちいることにより、術後1年で回腸内の嫌気性菌増加と腸管通過時間の延長がもたらされ、同時に排便機能の回復と相関が認められた。また、胃排出能の低下は術後早期より認められたが、胃うっ滯症状はなく、逆に消化吸収に有利に働いていると考えられた。しかし、本年度は新しい患者の登録はなかった。大腸全摘術のモデルとして成犬で大腸亜全摘術を行ない、回腸Jpouch-直腸吻合群(J-P群)と回腸-直腸端々吻合群(E-E群)を作成し、術後6カ月で比較検討した。Strain gauge force transducerによる各腸管部位の運動では、J-P群がE-E群より食後IMCの出現遅延、およびIMCの伝播率の低下が認められた。また、Jpouchの運動低下による便貯留能も認められた。この腸管運動の抑制は回腸粘膜内のPYY分泌細胞の増加によるものと考えられる。現在、小腸粘膜の増殖作用の有するGLIの分泌細胞とともに、回腸内PYY分泌細胞を免疫組織染色で検討中である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 孫 永煥, 康 謙三、 他: "胃排出能と腸管通過時間の同時測定による膵頭十ニ指腸切除術後消化管機能評価" 日本平滑筋学会雑誌. 31. 317-319 (1995)
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[Publications] 平井紀彦、康 謙三、 他: "胃全摘術後QOLと消化管生理機能検査-Double tract法について-" 日本平滑筋学会誌. 31. 379-381 (1995)