1995 Fiscal Year Annual Research Report
肺癌細胞性チロシン特異的燐酸化とリンパ節転移に対する線維芽細胞の役割
Project/Area Number |
06671335
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
今泉 宗久 名古屋大学, 医学部, 助教授 (90109322)
|
Keywords | 肺癌 / 肺癌 リンパ節転移 / 線維芽細胞 / 接着因子 / チロシン特異的燐酸化 / p125FKA |
Research Abstract |
基礎実験としてEGF receptorは肺癌細胞9株中7株に発現が認められ、EGF刺激による肺癌細胞生チロシン特異的燐酸化亢進は9株全てに認められた。臨床標本でのEGF-rの発現は弱く、癌部・非癌部双方にその反応がみられた。またC-erb B2蛋白は腺癌N_2症例の2例に検出されたが、EGF-rと関連はなかった。チロシン特異的燐酸化は肺癌手術症例44例中20例に正常肺より癌組織にその燐酸化亢進が認められたが、組織型により差はみられなかった。特にチロシン燐酸化蛋白のうち主要蛋白の一つがp125FAKであることが同定された。P125FAK燐酸化は正常肺組織には認められなく、癌組織のみみられた。癌組織は優位に認められたものはNO症例では30例中8例、N_<1,2>症例は14例中12例であり、リンパ節転移症例に有意に多くp125FAK燐酸化が認められた(日本癌学会、1994年)。またKaplan-Meier法による術後無再発生存期間はリンパ節転移の有無と同様に、p125FAK燐酸化の有無で有意差が認められ、p125FAK燐酸化は原発生肺癌において予後の指標になりうることが示唆された(日本ヒト細胞学会、1995年)。現在、肺癌細胞内でのp125FKAを中心とするチロシン燐酸化と接着因子(ヒト・E・カドヘリンまたはα-カテニン)との関係および肺癌リンパ節転移との関係並びにこれらの関係における線維芽細胞の関与とその役割を検討中である。
|
Research Products
(1 results)