1996 Fiscal Year Annual Research Report
肺癌細胞性チロシン特異的燐酸化とリンパ節転移に対する線維芽細胞の役割
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06671335
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
今泉 宗久 名古屋大学, 医学部, 助教授 (90109322)
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Keywords | 肺癌 / 肺癌リンパ節転移 / 線維芽細胞 / チロシン燐酸化 / 上皮成長因子受容体 / p125FAK / 予後因子 |
Research Abstract |
基礎的にはEGF-r,p125FAKは培養肺癌細胞10株中9株に、c-erbB_2蛋白は6株に発現があり、チロシン燐酸化蛋白の主要蛋白の一つがp125FAKであることを同定した。臨床的には肺癌手術症例44例中20例中に非癌部(正常肺)より癌部組織にチロシン燐酸化亢進が認められ、特にp125FAKの燐酸化は非癌部組織にはなく、癌部組織には認められたが、組織型には差はなかった。肺癌手術症例44例のうち追跡不能3例を除いた41例について、リンパ節転移との関係をみると、p125FAK燐酸化(+)はNo症例では29例中9例で、N_<1,2>症例では12例中9例であり、リンパ節転移と有意な関係があった(p<0.01)。p125FAKの燐酸化の有無でKaplan-Meier法による術後無再発率と生存率をみると、再発はp125FAK燐酸化(+)症例に多く、術後3年生存率はp125FAK(+)症例では56.3%で、(-)症例の82.0%に比べて低値であった。Coxの比例ハザードモデルを用いたrisk ratioはpT,p125FAK,pNの順で15.10、5.57、2.11であった。なおEGF-rの発現は臨床標本では弱く、癌部、非癌部組織双方にその反応がみられたが、燐酸化は確認されなかった。またc-erbB_2蛋白は肺腺癌N_2症例の2例に検出されたのみであった。 チロシン燐酸化蛋白、特にp125FAK燐酸化は細胞間の情報伝達に関与し、リンパ節転移と関係して、術後無再発率、生存率に影響し、肺癌において予後不良の指標となりうることが示唆された。しかし、EGF-r,c-erbB_2蛋白に関しては明らかな予後との関係は認められなかった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 町田和也、今泉宗久他: "ヒト肺癌組織における110〜130kDaチロシン燐酸化蛋白群の同定及びその予後との相関" 癌、日本癌学会総会記事、第55回総会(横浜). 89 (1996)
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[Publications] M.Nishimura,M.Imaizumi et al: "Tyrosine phosphorylation of 100-130 kDa protein in lung cancer correlate with poor prognosis" Bt,J,Cancer. 74. 780-787 (1996)