1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06671408
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
渡辺 善一郎 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (20167141)
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Keywords | 顔面神経丘 / 第4脳室底 / 呼吸循環 / 電気刺激 |
Research Abstract |
第4脳室底で顔面神経丘の同定を試み、至適刺激方法、更に第4脳室底電気刺激の血圧・脈拍・呼吸に及ぼす影響を検討した。 逆行性活動電位による同定では、第4脳室底の直径2mm以内の範囲でのみ、刺激後3msecから始まる振幅が約300μVの多相性の電位変化が眼輪筋から記録でき、この眼輪筋の誘発筋電図は小脳橋角部で頭蓋内顔面神経を切断後は得られなかった。 順行生電位による同定では、陽性・陰性の2相性波が、逆行性活動電位が得られたと同じ範囲の刺激でのみ得られた。それぞれのピークは、2.03±0.35msecと3.04±0.16msec(n=5)で、小脳橋角部で左顔面神経を切断後この電位は消失した。電気生理学的に顔面神経丘と同定した部位が顔面神経丘上であることは、組織学的にも確認した。 顔面神経丘上で電位を得る上での至適刺激条件は、0.1mA・0.1msecの単極刺激であった。 顔面神経丘電気刺激による呼吸・循環への影響に関しては、0.4mA以上の刺激強度で血圧低下が、2.0mA以上の刺激強度で脈拍数低下と呼吸抑制が出現した。これらの呼吸循環へ及ぼす影響は、Atropine(0.01mg/kg)静注後5分で抑制され、その効果は約50分間持続した。 以上の結果より、第4脳室底において呼吸循環に影響を及ぼすことなく安定して顔面神経丘を同定することができ、臨床応用も可能と思われた。
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