1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06671458
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Research Institution | YAMAGUCHI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
城戸 研二 山口大学, 医学部・附属病院, 助教授 (20161515)
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Keywords | 小児股関節 / 関節鏡 / 先天性股関節脱臼 / 関節唇 / 関節造影 / MRI |
Research Abstract |
平成6年度におこなった、小児股関節における関節鏡視下手術の安全性に関する基礎的検討により、比較的安全に関節鏡視下手術がおこなえる可能性が示されたが、この結果を踏まえて今年度は手術的処置について検討した。小児股関節のモデルとしてサルの股関節を用いて検討した。小児の先天性股関節脱臼のモデルとしてサルの股関節を後方に脱臼させたモデルを作成し、この脱臼股関節について関節鏡の刺入点と関節鏡視範囲の関連、鏡視下手術器具の侵入法、手術操作、手術部位の検討をおこなった。 関節鏡の刺入点と鏡視範囲の関連についての検討は、刺入点としては主に後方侵入法と前方侵入法とについて比較検討した。その結果は、後方侵入法のほうが前方に比較して関節内組織に関しては広範囲の鏡視が可能であるが、関節唇に関してのみは前方法のほうがひろい範囲の鏡視が可能であった。したがって、後方から関節鏡視をしながら、前方から手術器具を挿入することで、関節内の広い範囲の操作が可能であった。関節唇にかんしては、前方から鏡視しながら後方から器具を挿入する必要がある。今後の問題点としては、関節鏡の口径を可及的に太いもので鏡視範囲を広くすることと、手術器具の工夫が必要な事である。 関節内組織の、ミクロズ-ムアダプターを使用しての観察は、主に滑膜に関して有用であった。滑膜内の血行が観察でき、充血状態などの所見がえられたが、これらの所見の意義に関しては今後の検討を要する。 臨床応用としては、前年度に引き続き主に先天性股関節脱臼例の関節鏡所見の検討から、関節造影やMRIからは得られない、後方関節唇の肥厚内反についての情報が追加され病態把握に有用な知見が得られている。
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Research Products
(1 results)