1994 Fiscal Year Annual Research Report
LH-RH analogueを用いた精細胞休止法による抗癌剤の造精機能障害予防の研究
Project/Area Number |
06671568
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
武島 仁 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (00197287)
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Keywords | 化学療法 / 抗癌剤 / 精巣 / 造精機能障害 / ラット / LH-RH analogue / adriamycin / Johnsen's score |
Research Abstract |
12週齢の雄SDラットを以下の4群に分けそれぞれ薬剤投与を行った。実験開始後28週目に屠殺し体重を測定するとともに、精巣を摘出し造精機能の変化を光学顕微鏡にてJohnsen's scoreにより組織学的に検討した。なお統計学的検討には分散分析法を用いた。 1群;対象群 2群;LH-RH analogue投与群 3群;adriamycin(抗癌剤)投与群 4群;LH-RH analogueによる精細胞休止後にadriamycin投与群 【結果】(A)各群の体重;平均値±標準偏差(g) 1群;660.4±46.5 n=10 2群;570.3±59.3 n=10 3群;600.3±49.6 n=10 4群;589.4±36.8 n=10 1群は2群(p<0.001)、3群(p=0.0063)、4群(p=0.0015)より有意に重かった。 (B)各群の総精巣重量;平均値±標準偏差(g) 1群;3.78±0.24 n=10 2群;3.04±0.31 n=10 3群;1.47±0.24 n=10 4群;1.32±0.23 n=10 1群は2群(p<0.001)、3群(p<0.001)、4群(p<0.001)より有意に重かった。2群は3群(p<0.001)、4群(p<0.001)より有意に重かった。 (C)各群のJohnsen's score;平均値±標準偏差 1群;8.6±0.16 n=10 2群;8.4±0.16 n=10 3群;4.4±1.19 n=10 4群;5.6±1.71 n=10 1群は3群(p<0.001)、4群(p<0.001)より有意に高かった。2群は3群(p<0.001)、4群(p<0.001)より有意に高かった。また4群は3群より有意に高値であった(p=0.0128)。 【考察】(A)よりLH-RH analogueおよびadriamycin(抗癌剤)の投与はラットの体重増加に影響を与えたことが考えられるが、LH-RH analogueとadriamycinの間に影響の差はなかったと推測される。(B)よりadriamycin投与により精巣重量の増加は著しく阻害され、これはLH-RH analogueの予防投与でも防ぐことはできなかったと考えられる。(C)よりadriamycin投与により造精機能は著しく障害されるが、LH-RH analogueを予防投与することで障害の程度を軽くすることが可能であることが示唆された。
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