1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06671621
|
Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
高橋 剛 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教授 (70163269)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 浩 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (30197157)
|
Keywords | 尿路補填剤 / コラーゲン / 筋膜細胞 / ヌードマウス皮下移植 / 補填マトリックス / GAXコラーゲン / アテロコラーゲン / 混合マトリックス |
Research Abstract |
本年度の研究目的は補填マトリックスの生体内における変化の究明である。方法としては各種マトリックスを考察し、ヌードマウス皮下に注入移植、9週間の経過をみた。その後移植部を採取固定し、病理組織学的検索を行った。この計画の下にまず幼若ヌードマウス11匹をインキュベータ-内で飼育、マトリックスとして1)ヒト新鮮筋膜 2)ヒト10%ホルマリン保存筋膜 3)ヒト新鮮筋膜+アテロコラーゲン 4)ヒト新鮮筋膜+グルタールアルセデビト架橋(GAX)コラーゲンの4種を用いた。ヒト筋膜は手術的に採取後、鋭的に細切し細胞培養液(MEM)に浮遊させ脂肪、筋肉などを除去、さらに電解質液(Hanks)で洗浄後、コラーゲン中に混入して作製した。これらを各2匹ずつに注入移植し、対照としてコラーゲンのみを注入した。 注入移植後9週間の飼育観察中、毎週1回移植部の体積を計測した。注入後の形態は著明には変化しなかったが、扁平化する傾向がみられた。9週間後の体積変化は95%から43%のものまでみられた。最も減少の少なかったものはGAXコラーゲンのみのもの、次いでGAXコラーゲン+新鮮筋膜、GAXコラーゲン+保存筋膜、アテロコラーゲンのみ、アテロコラーゲン+新鮮筋膜の順であった。組織学的には混合マトリックスは互いに反応なく混在し、ヒト筋膜線維は再構築がみられ、線維間に血管新生、線維芽細胞の侵入がみとめれられた。10%ホルマリン30日間保存筋膜を用いたものも同様の所見で、線維はよく保たれ、壊死脱落はなく、血管の新生もみられた。一方アテロコラーゲンでは中心壊死がみられ、血管新生は少なかった。また周囲に巨細胞がみられ異物反応と考えられた。
|
Research Products
(2 results)