1995 Fiscal Year Annual Research Report
不死化ヒト卵管上皮細胞による受精卵培養システムの開発
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06671654
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Research Institution | Tottori University, Faculty of Medicine |
Principal Investigator |
原田 省 鳥取大学, 医学部・附属病院, 講師 (40218649)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大野原 良昌 鳥取大学, 医学部, 助手 (00240862)
谷川 正浩 鳥取大学, 医学部・附属病院, 助手 (90236688)
寺川 直樹 鳥取大学, 医学部, 教授 (90163906)
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Keywords | 卵管上皮細胞 / 不死化 / 6FGF / FGF受容体 |
Research Abstract |
ヒト卵管上皮細胞培養と癌遺伝子導入を試みたものの,ヒト上皮細胞の不死化は困難であり,いまのところ株化には成功していない.そこで,本研究では卵管細胞からのアプローチとともに,胚細胞における増殖因子の作用について検討した.その結果,basic fibroblast growth factor(bFGF)がマウス着床前初期胚のRNAおよび蛋白合成を促進することを初めて明らかにした.また,RT-PCRを用いてマウス初期胚と子宮内膜細胞におけるbFGFおよびFGF受容体1(FGFR1)遺伝子の発現を検討した.初期胚自身はbFGFを発現していないが,FGFR1遺伝子を発現し,子宮内膜はbFGF遺伝子を発現していることを見いだした.したがって,胚に発現するFGFR1が重要な役割を担うことが示唆された.そこで,FGFR1遺伝子の発現制御機構を知るためにFGFR1を発現しているマウスNIH3T3細胞,乳癌細胞株SC3を用いてFGFR1遺伝子上流領域のゲノム構造とpromoter活性について解析した.その結果,FGFR1遺伝子は14kbの長い第一イントロンを持つこと,FGFR1の亜分子種はすべてalternative splicingによって作成されること,FGFR1のmRNAは5'領域にもう一つのopen reading frameを持つことが明らかとなった.basal promoter活性は5'上流領域の-89から-43に同定された.さらに,DNase I protection assayならびにgel shift assayによって,promoter活性と核蛋白の結合は-62から-42の領域に限定された. 以上の検討から,初期胚発生は胚に存在するFGF受容体を介してbFGFによってパラクリンコントロールを受けること,FGFR1遺伝子はそのユニークなゲノム構造から特異な転写制御を受け,基本転写は未知の核蛋白によってコントロールされていることが判明した.今後は,初期胚自身におけるFGFR1遺伝子の発現動態および制御についての検討が必要である.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Saito H: "Mapping of a transcription element critical for expression of the fibroblact growth factor receptor 1 gene" Biochem Biophys Res Commun. 198. 1020-1026 (1994)
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[Publications] Harada T: "Hurine fibroblast growth factor receptor 1 gene generates multiple messenger RNAs containing two open reading frames via alternative splicing" Biochem Biophys Res Commun. 205. 1057-1063 (1994)