1994 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病原菌porphyromonas gingivalisの組織破壊性酵素の研究
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06671842
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
藤村 節夫 松本歯科大学, 歯学部, 助教授 (40045505)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 武 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (60064656)
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Keywords | 歯周病原菌 / 蛋白分解酵素 / p.gingivalis |
Research Abstract |
porphyromonas gingivalis ATCC33277株がリジン特異的プロテアーゼ(K-プロテアーゼ)を産生することが認められた。K-プロテアーゼ活性は細胞にも菌体外にも存在するが、今回は菌体外の(培養上清中)のものについて分離精製を試みた。 酵素基質としてトシルグリシルプロリルリジン-パラニトロアニリド(tos-GPK-pNA)を用いた。培養上清の硫安塩析、イオン交換クロマトグラフィー(DEAE)、ゲル濾過、アフィニティクロマトグラフィー(リジンセファロース)によってK-プロテアーゼを精製した。精製標品はSDS-PAGEで単一バンドを示し、比活性は1331倍上昇した。分子量はSDS-PAGEで48kDaで、反応の至適pHは7.5であった。tos-GPK-pNAおよびバリルロイシルリジン-パラニトロアリニド(VLK-pNA)に対するミカエリスーメンテン定数はそれぞれ0.25mM、0.33mMであった。またtos-GPK-pNAに対する活性を100%とすると、VLK-pNAには64%、ベンゾイルリシル-パラニトロアニリドには12%の活性を示した。しかしリジンアミノペプチダーゼ活性は検出されなかった。P.gingivalisにはアルギニンに特異的なプロテアーゼ(トリプシン様酵素)があるが、精製されたK-プロテアーゼにはその活性が全く認められず、両者は異なる酵素である。K-プロテアーゼの蛋白質に対する加水分解能を調べたところ、血清アルブミン、IgA、およびIgGを切断することが分かった。酵素阻害剤および金属キレーターのK-プロテアーゼへの影響を比較したところ、トシルリジンクロロメチルケトンで完全に阻害されたフェニルメチルスルファニルフルオライド、ジイソプロピルフルオロフォスフェイト、ε-アミノカプロン酸、アプロチニン、ロイペプチン、E-64の影響を受けず、EDTAとEGTAで活性化されることが判明した。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] 藤村節夫,柴田幸水,平井要,中村武: "Porphyromonas gingivalisとヘモグロビンの結合について." 歯科基礎医学会誌. 36. 135 (1994)