1994 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病の発症と進行に関わるCD4^-8^-αβおよびγδT細胞の役割
Project/Area Number |
06671911
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
永井 淳 岡山大学, 歯学部・附属病院, 講師 (70252989)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本行 博 岡山大学, 歯学部, 助手 (80243476)
中川 政嗣 岡山大学, 歯学部, 助手 (80243468)
宮本 学 岡山大学, 歯学部, 助手 (40252978)
村山 洋二 岡山大学, 歯学部, 教授 (50029972)
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Keywords | 歯周病 / 宿主-細菌相互作用 / CD4^-8^-αβT細胞 / γδT細胞 / サイトカインmRNA / 細胞傷害活性 |
Research Abstract |
本研究の目的は,CD4^-8^-αβT細胞ならびにCD4^-8^-γδT細胞の活性化およびその細胞機能を知ることによって,これらの細胞群と歯周炎の発症過程との関わりを考察することである。 材料および方法 申請書記載の通り。 結果 1.末梢血中のCD4^-8^-T細胞の大部分はVγ9/Vδ2細胞がしめた。これらのCD4^-8^-T細胞の刺激を,A.actinomycetemcomitans生菌を貧食させた単球との混合培養で行った。活性化され,増殖する細胞の多くは,Vγ9/Vδ2細胞であった。 2.この細胞は,上皮癌細胞に細胞傷害性を示したが,その傷害性の程度は,標的細胞と細菌との前培養の有無には無関係であった。 3.活性化されたVγ9/Vδ2細胞は,interleukin-2を産生した。 これらの傾向は,歯周組織健常者,歯周病患者のいずれにおいても見られた。 考察 1.Vγ9/Vδ2細胞は,感染上皮細胞の排除,あるいは自己免疫性の上皮細胞破壊に関わっている可能性が示唆された。 2.慢性炎症病巣である歯周炎の場では,B細胞の増殖・分化が活発に起こっていると考えられる。すなわち,タイプ2サイトカイン優勢の反応が起こっているはずである。本研究で見られたタイプ1サイトカイン優勢の反応が,歯周炎発症のごく初期に見られるものだとすれば,歯周炎の確立に向かって,タイプ2サイトカイン優勢へと逆転するプロセスが存在しなければならないと考えられた。
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