1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06671917
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
吉山 昌宏 徳島大学, 歯学部・附属病院, 講師 (10201071)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅 俊行 徳島大学, 歯学部, 助手 (60243713)
恵比須 繁之 徳島大学, 歯学部, 教授 (50116000)
|
Keywords | 象牙質知覚過敏症 / プラークコントロール / 象牙細管 / 象牙質生検試料 |
Research Abstract |
歯根面知覚過敏症は、プラークコントロールにより自然治癒する場合が相当数あり、プラークがその発症に関与すると推察されているが、その詳細は明らかではない。そこで、本研究では、歯根面知覚過敏症の発症メカニズムおよび自然治癒機構の解明を目的として、知覚過敏症を発症したヒトの露出歯根面の微細形態を検索するとともに、知覚過敏を想定したモデル実験により、その自然治癒機構を検討した。まず、歯根面に知覚過敏症状の認められた6歯を被験歯とし、歯根面より象牙質生検試料を採取しSEMおよびTEMにて観察を行った。SEM観察の結果、知覚過敏部では象牙細管の開口率が約71.7%であるのに対し、非知覚過敏部では約17.7%であった。TEM観察では、知覚過敏部の細管内には膜様構造物および突起様構造物が認められたのに対し、非知覚過敏部では全層にわたり細管内腔が微小顆粒状結晶により封鎖されていた。 一方、知覚過敏症の自然治癒機構を検討するために、知覚過敏を想定して1.1M次亜塩素酸ナトリウムにより象牙細管を開口させた歯根象牙質プレートをレジン床義歯に装着し、1)ブラッシングを行わない、2)歯磨剤を用いずにブラッシングを行う、3)抗菌剤にて定期的に洗浄する、の3群に分類し、一定期間(7日間、14日間、21日間)それぞれの方法を行い、その前後の象牙細管の開口度を測定した。その結果、7日目では装着前と比較してブラッシングを行った群と行わなかった群とともにやや開口傾向にあり有意差は認めなかったが、14日目以降、ブラッシングを行った群では封鎖傾向にあったのに対し、ブラッシングを行わなかった群ではさらに開口傾向を示していた。一方、抗菌剤を用いてプラークコントロールを行った場合には7日目より象牙細管の封鎖傾向を示した。このことより、確実なプラークコントロールは知覚過敏症の自然治癒機構を促進することが示唆された。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] M.Yoshiyama et al.: "Morphological characterization of tube-like structures in hypersensitive human radicular dentin." J.Dent.23(in press). (1995)
-
[Publications] M.Yoshiyama et al.: "Process-like structures in the tubules of hypersensitive human dentin." Arch.Oral.Biol.39. 153 (1994)