1994 Fiscal Year Annual Research Report
ラット唾液腺におけるアミノ酸受容体の分布とアミノ酸の唾液分泌に対する作用
Project/Area Number |
06672036
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
志田 亨 大阪歯科大学, 歯学部, 助教授 (20067177)
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Keywords | 唾液腺 / GABA_A受容体 / GABA / グルタミン酸受容体 / AMPA型受容体 / グルタミン酸 / acetylcholine / ラット |
Research Abstract |
1.免疫組織学的検索 ラット顎下腺および舌下腺においてGABA_A受容体のγ1およびγ2 subunit(GABA_AR-γ1,-γ2),AMPA型受容体のGluR-1,GluR-2/3およびGluR-4の分布を観察した.これらのsubunitsの分布はほぼ同じであり,顎下神経節,導管,顎下腺腺房細胞,舌下腺筋上皮細胞に認められ,GABA_A受容体とAMPA型受容体が共存している可能性が示唆された. 2.アミノ酸の唾液分泌に対する影響 中枢の影響を避けるために,顎下腺および舌下腺を灌流して唾液分泌量を観察した. 1)単独投与ではGABAおよびglutamateも唾液分泌が認められなかった. 2)鼓索神経の電気刺激(2-5V,5msec,20Hz)下ではGABA10^<-8>MおよびGABA_A受容体のagonistであるmuscimolで有意の抑制が認められた.このGABAによる抑制は,GABA_A受容体のantagonistであるbicucullineで拮抗され,picrotoxineでも拮抗された. glutamateおよびNMDAでは高濃度でも影響がみられなかったが,AMPAでは10^<-1>Mで抑制が認められた. 3)鼓索神経の電気刺激では,5-10HzではGABAによる抑制がみられなかったが,20Hz以上では抑制が認められた.このことからGABAは,acetylcholineの遊離を抑制するのではなくacetylchineとともに遊離されるペプチド類の遊離を抑制,あるいは受容体を直接あるいは間接的に遮断し,結果的に唾液分泌を抑制することが示唆された. 4)上頚神経節を刺激して得られる唾液分泌に対しては,GABAは抑制を示さなかった.このことから,GABAの作用部位は,腺細胞ではなく神経細胞に作用していることが示唆された.
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