1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06672058
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
原田 桂子 徳島大学, 歯学部, 助手 (70192284)
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Keywords | 歯科診療極力性 / 小児への対応 / 心理検査 |
Research Abstract |
「幼児歯科診療協力性検査」が、個人歯科医院を受診した幼児においても有用であるか否か、ならびに学童の協力性を予測するのに応用できるか否かを知る目的で、徳島大学歯学部小児歯科学講座同門会の会員で個人の歯科医院を開業している歯科医院(17カ所)を受診した新患の3歳から6歳までの幼稚園児、男児40人、女児42人、計82人ならびに小学1年生から6年生までの学童、男児34人、女児54人、計88人とその母親を対象とし、対象開業医に検査用紙を送付し文書で依頼した。返送されたデータをプログラムに入力し、各対象児者のサンプルコアを算出し、得られたスコアが-0.204より大きい小児を判別予測適応、以下の小児を判別予測不適応とした。この判別予測と実際の適応性総合判定を用いて、的中率を求め、比較検討した。得られた結果は次のとおりであった。1.幼児82人のうち、判別予測が適応と判定された53人のうち、43人は総合判定でも適応であったが、10人は不適応であった。判別予測が不適応と判定された29人のうち、18人は総合判定でも不適応であったが、11人は適応であった。したがって判別的中率は、適応群で81.1%、不適応群で62.1%で、全体の的中率は74.4%であった。2.学童88人のうち、判別予測が適応と判定された79人のうち、70人は総合判定でも適応であったが、9人は不適応であった。判別予測が不適応と判定された9人のうち、6人は総合判定でも不適応であったが、3人は適応であった。したがって判別的中率は、適応群で88.6%、不適応群で66.7%で、全体の的中率は86.4%であった。 幼児の不適応群の的中率が低いのは、適応性が悪いと予測して歯科医が診療前より小児への対応法をとくに考慮して取り組んだため、予測と違って良好な診療が行われたものと考えられ、的中率が低いことは臨床上問題とはならない。学童の的中率は高く、「幼児歯科診療協力性検査」は学童に対しても有用であることが示唆された。
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