1994 Fiscal Year Annual Research Report
抗ウイルス薬開発を指向するアシクロヌクレオシド類の新規合成法
Project/Area Number |
06672236
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
北出 幸夫 岐阜大学, 工学部, 助教授 (20137061)
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Keywords | アシクロヌクレオシド / 抗ウイルス薬 / 還元反応 / 水素化ジイソブチルアルミニウム / プリンヌクレオシド |
Research Abstract |
当初に計画した研究目的、研究計画・方法に従い研究を推進することができた。 (1)還元的リボース部開環反応の最適化を行った結果、溶媒(THF,CH_2Cl_2,Benzene,Ether)としては、エーテル系溶媒が、また還元試薬(DIBALH,LiAlH_4,NaBH_4)としてはアルミニウム試薬が適していることが判明した。特に、THF中5等量のDIBALHを用い室温下に反応する条件が最適であった。 (2)塩基部6位置換プリンヌクレオシド類との反応による置換基効果(立体障害、電子効果)を検討した結果、電子供与性置換基を導入すると反応を抑制することが判った。 (3)無保護のアデノシン誘導体に本還元的リボース部開環反応を適用した結果、adenosine,2′-deoxy-adenosine,3′-deoxyadenosine(cordycepin),5′-deoxyadenosineのいずれも還元的開環反応が低収率ながら進行した。 上記実験結果、アルミニウム還元試薬のプリン塩基への配位が重要であり、強い溶媒効果が観測され非極性溶媒では反応を抑制した。また、プリン塩基部6位の置換基効果が大きく電子吸引基の存在が反応を促進することが判明した。今後、反応機構の解明には更に詳細な検討を必要とする。
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