1995 Fiscal Year Annual Research Report
抗ウイルス薬開発を指向するアシクロヌクレオシド類の新規合成法
Project/Area Number |
06672236
|
Research Institution | GIFU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
北出 幸夫 岐阜大学, 工学部, 助教授 (20137061)
|
Keywords | アシクロヌクレオシド / 抗ウイルス薬 / 還元反応 / 水素化ジイソブチルアルミニウム / プリンヌクレオシド |
Research Abstract |
当初に計画した研究目的、研究計画・方法に従い研究をほぼ推進することができた。 (1)塩基部の窒素原子との配位による活性化について考察するため、7-デアザアデノシンに本反応を適用したところ原料回収に終わった。その結果は、本反応による還元的開裂反応の活性化にはプリン塩基の7位窒素原子におけるアルミニウム原子との配位が重要であることが判明した。 (2)塩基部6位にアシル基(ピバロイル基)を導入した置換アデノシン類との反応では、対応する還元的開裂反応体が低収率で生成するのみで、その主生成物は脱アシル体であった。この結果は、6位窒素原子とアルミニウム原子との配位が優先することが示唆された。 (3)プリンヌクレオシド誘導体に替えてピリミジンヌクレオシド誘導体との反応を検討したが、塩基部の還元反応が進行するなど反応が複雑に進み期待する糖部開環体は得られなかった。 上記研究結果より、アルミニウム還元試薬のプリン塩基6位および7位への配位が重要であり、塩基部への配位能を持たない原子の導入および立体障害を有する置換基の導入が、還元的糖部開還反応を抑制することが判明した。
|