1995 Fiscal Year Annual Research Report
近代看護教育思想についての研究(わが国におけるナイチンゲ-ルの受容)
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06672340
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
上岡 澄子 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (30151773)
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Keywords | 看護 / 教育思想 / ナイチンゲ-ル |
Research Abstract |
1)日本赤十字社機関誌『博愛』(月刊)の中の看護教育関連の記事を検索する。(大正3年から昭和16年まで) ナイチンゲ-ルの死亡(1910年・明治43年)後、赤十字看護婦の最高の名誉を表彰する制度として、「ナイチンゲ-ル石黒記念碑」(1910年/日本赤十字社)と「フローレンス・ナイチンゲ-ル記章(1912年/国際赤十字)が制定され、重責を担っている監督や婦長たちが、ほぼ毎年受賞するようになる。ここにおいて、戦時救護を目的とする赤十字社の看護婦教育モデルと「ナイチンゲ-ル」とが完全に一致したと考えることができる。また、『博愛』には、昭和11年頃より、看護婦の従軍体験記が数多く掲載されるようになる。 2)聞き取り調査 昭和16年以前に養成された看護婦を対象(養成形態・施設が異なる)に、それぞれの人の、初等教育時代・看護婦養成期間中・資格所得後から現在までのナイチンゲ-ル観を聞き取る。次の4例について実施した。 A(明治43年生、帝大病院看護婦教育所卒・・男性的な管理的手腕を備えた人としてのナイチンゲ-ル像であり、戦後、看護婦生活をしていくなかで参考にしてきた) B(大正10年生、見習いの後に検定試験を受ける・・情報が少なく漠然としたイメージである) C(大正13年生、見習いの後に検定試験を受ける・・養成時代、「学校を作ったりっぱな人」と教えられたが、個人的には関心がなかった) D(大正11年生、赤十字甲種看護婦養成所卒・・ナイチンゲ-ルは自分の理想・尊敬の対象であった)
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