1994 Fiscal Year Annual Research Report
精神遅滞児の肥満解消に必要視される運動能力開発に関する事例研究
Project/Area Number |
06680092
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
横山 泰行 富山大学, 教育学部, 教授 (30109102)
|
Keywords | 精神遅滞児 / 肥満解消 / フ-プなわとび / 肥満傾向児指数 / 重度肥満 |
Research Abstract |
高等部2年生の継続事例児は,現在身長177cm,体重92kgであり,肥満傾向児指数140の重度肥満児である。本事例児に関しては,昨年までと同じ観点から肥満解消の取り組みを実施してきたが,肥満の程度は昨年と同じ水準を維持することが精一杯であった。重度肥満を中度肥満あるいは軽度肥満にまで落とす当初の予定は失敗にきした。本年度も,フ-プなわとびを継続的に実施し,さらに,教師記録,教師と両親との綿密な交換日記を交わしながら,肥満の程度が重度から最重度に移行しないように最善の注意を払った。 中等部1年生の新事例児の肥満傾向児指数は,平成5年4月の時点では140の重度肥満であったけれども,平成6年の1月の時点では標準体重に相当する118まで大幅にダウンした。比較的短期間の間に重度肥満を克服し,標準体重を回復した症例児である。この期間中,症例児の父親の全面的なバックアップによって,症例児は食事の管理と家庭場面で身体活動を積極的に導入することに成功したものである。教師と両親との綿密なコミニュケーションの成功が肥満解消の最も重要な要因であった。家庭における身体活動の導入は父親の指導によって,非常にうまくいったけれども、学校場面ではフ-プなわとびの運動を筆頭にすべて症例児に定着させることができなかった。身長の伸びにブレーキがそろそろかかる年齢であるので,学校においても身体活動を積極的に展開する方策が肝心である。
|