1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06680155
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Research Institution | Osaka Women's Junior College |
Principal Investigator |
田中 智彦 大阪女子短期大学, 助教授 (70188316)
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Keywords | 歴史地理(交通) / 道中日記 / 社寺参詣 / 渡船・航路 / 近世交通史 |
Research Abstract |
平成6年度には、8月末に11日間の九州地方への資料収集調査を行い、伊勢参宮・西国巡礼道中日記の原資料17点、抄録や要約、存在のみ確認できたものなどを含めると合計63点が収集できた。また2月末には7日間の中国地方への調査を行い、原資料9点、抄録や要約、存在のみ確認できたものなどを含めると合計24点が収集できた。 収集した資料について、記録者・道中日記の名称・時期・参詣目的社寺・経路等を指標として、地域別道中日記一覧を作成した。一方、各々の道中日記については、内容の解読、郷里から伊勢参宮・西国巡礼への経路を地形図で判読し、渡船・航路の利用区間の把握を進めている。 以上の作業を進める中で、収集した道中日記の予察的な分析を行ったところ、次の諸点について検討・考察することが必要であると考えられた。 1)社寺参詣者が利用した瀬戸内航路の船の便数・目的地と寄港地、2)社寺参詣者の出身地と瀬戸内航路の利用区間、3)瀬戸内航路での宮島・金比羅山参詣について、4)西国巡礼札所竹生島への琵琶湖航路について、5)紀伊長島等における陸路と短距離航路の選択、6)社寺参詣者に見られる伊勢参宮と西国巡礼との関わり、7)伊勢参宮をする者の大坂から伊勢までの往復経路、8)航路・渡船に関する東国の伊勢参宮・西国巡礼者との経路比較 来年度は、上記の点を機軸として道中日記の分析を行うと同時に、所在確認や要約しか入手できなかった道中日記について、極力全文を得るようにし、より客観的な結論に至る努力をしていきたい。
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