1995 Fiscal Year Annual Research Report
先進安全車(ASV)における危険回避系の最適構成と安全性評価に関する研究
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06680398
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Research Institution | Tokyo University of Mercantile Marine |
Principal Investigator |
佐藤 吉信 東京商船大学, 商船学部・交通電子制御工学講座, 教授 (60242319)
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Keywords | 先進安全車 / ASV / 危険回避系 / 安全性評価 / リスク解析 / 安全関連系 / A-Cモデル構造図数法 / フェール・セーフ・システム |
Research Abstract |
自動車交通事故の抑制には、運転者のエラーをバックアップして危険を回避するいわゆる危険回避系を備えた先進安全車(ASV)の実現が必須である。この危険回避系は、それ自体に故障や異常が発生しても安全性を損なわないフェール・セーフな構成とすべきである。また、先進安全車の実現には少なからずコストが必要となる。そこで、コストーベネフィットの観点から、どのような技術によりどの程度事故の削減が期待できるかを評価することが必要である。平成7年度では、次の研究を行った。 1.ドライバーの居眠りやよそ見などのヒューマンエラーによる追突事故を防止するために、車間距離警報装置がトラックやバスで実用化され始めている。これにより、どの程度事故が抑制されるかをフォールト・ツリー解析により評価した。その結果、この装置により追突事故が1/3から1/4に削減できると結論された。 2.同様の解析により、車間距離警報装置の警報出力を自動車の停止装置に連結していわゆる自動ブレーキを構成した場合、追突事故が1/5から1/8に低減されると評価された。 3.現在の技術水準でしかもあまり装置が普及していない段階では、同装置のコストは1台あたり25万円から30万円である。大手のトラック運送業者では、交通災害保健をいわゆる自己保険としているため、事故の減少が利潤に直結している。このため同装置の利用に積極性がみられる。しかし、個人ユーザでの導入をはかるためには、さらに製造コストの低廉化が必要である。 4.マイコンなど新技術を用いた危険回避系では、故障率などいわゆる詳細な信頼性データが入手できない場合が多々ある。そこで、危険回避系がフェール・セーフ構成かあるいはフェール・オペラブル構成かによりコンポーネントに近似的な統計量を与えて新技術を用いた危険回避系の事故抑制力を評価するA-Cモデル構造関数法を開発した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Y.Sato: "An estimation of the hazard-controllability of driver-support systems" Prep.the 6th IFAC symposium on A.D.E.of man-machine systems. Vol.1. 591-596 (1995)
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[Publications] 佐藤 吉信: "リスク解析のための1手法の開発" 第25回信頼性・保全性シンポジューム報文集. Vol.25. 325-330 (1995)
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[Publications] Y.Sato: "On the risk-based safety design using an A-C model structure function method" Procs.of ISME Yokohama`95. Vol.2. 223-227 (1995)
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[Publications] Y.Sato: "Analyses of the hazard-control systems for alcoholic-abstergent-drying ovens" Procs.of PSA`95. Vol.2. 763-768 (1995)
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[Publications] Y.Sato: "Evaluation of dependability of hazard-control systems" Procs.of PSA`95. Vol.2. 769-773 (1995)
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[Publications] 佐藤 吉信: "IEC国際規格1508機能安全について" 電子情報通信学会技術研究報告S95. Vol.3. 7-12 (1996)
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[Publications] 佐藤 吉信: "世界の安全規格・認証便覧一FA(プログラマブル安全関連系)-" 財団法人 日本規格協会, 24 (1996)