1995 Fiscal Year Annual Research Report
自動車排ガスに由来する活性酸素生成物質による沿道の大気汚染とヒト暴露量の評価
Project/Area Number |
06680519
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Research Institution | Science University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 潤三 東京理科大学, 薬学部, 助教授 (40110944)
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Keywords | 自動車排ガス / 大気浮遊粉塵 / 大気汚染 / 活性酸素 / ヒト暴露量 / ヒト尿 / 8-ヒドロキシグアニン / 1-ヒドロキシピレン |
Research Abstract |
(1)幹線道路沿線住民の自動車排ガスに由来する活性酸素生成物質暴露量の評価 ・自動車排ガス高暴露グループとして東京都杉並区高円寺(環状七号線沿線)在住の小学生(6〜9才、男女5人)、低暴露グループとして宮崎県東諸県郡綾町に在住する小学生(7〜12才、男女5人)の尿中8-ヒドロキシグアニン(8-0HGu)量(活性酸素生成物質暴露指標)と尿中1-ヒドロキシピレン(1-0HPy)量(自動車排ガス暴露指標)を測定した。 ・尿中1-0HPソレベルは高暴露グループでは290.3±50,5(ng/g creatinine)、低暴露グループでは170.1±66.3(ng/g creatinine)と、高暴露グループで有意(p<0.05)に高かったにもにもかかわらず、尿中8-0HGuレベルは高暴露グループでは18.9±13.2(μng/g creatinine)、低暴露グループでは26.7±21.6(μg/g creatinine)と、両者に有意差の無いことが判明した。 ・高暴露グループの尿中8-0HGuレベルと1-0HPyレベルとの間には有意な相関性が認められ、自動車排ガスが活性酸素生成物質の暴露源になっていることを示したが、低暴露グループにはその相関が認められず、低暴露グループに自動車排ガス以外の活性酸素暴露要因があることが示唆された。 (2)尿中8-0HGu量に影響する因子の探索 ・現在使用している尿中8-0HGuの定量法ではまだ試料の処理能力が低い上、分析に伴うHPLCカラムの劣化も激しく、多数の試料を分析することが困難で、自動車排ガス以外の活性酸素暴露要因を解明するには至らなかった。現行の尿中8-0HGu分析法を改良してさらに簡便な分析法を確立することが今後の課題である。
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