1994 Fiscal Year Annual Research Report
自動車排ガスに由来する活性酸素生成物質による沿道の大気汚染とヒト暴露量の評価
Project/Area Number |
06680519
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
鈴木 潤三 東京理科大学, 薬学部, 助教授 (40110944)
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Keywords | 自動車排ガス / 大気浮遊粉塵 / 大気汚染 / 活性酸素 / ヒト暴露量 / ヒト尿 / 8-ヒドロキシグアニン |
Research Abstract |
(1)街路樹の葉及びエア-サンプラー採取粉塵を用いた活性酸素産生物質の地域分布と季節変動の評価 ・同一地点で採取したツツジ葉及びエア-サンプラー採取大気浮遊粉塵(SPM)の活性酸素産生能を測定したが、葉試料についてはメタノール抽出される葉脂質成分の妨害のため正しい活性酸素産生能の評価が出来ない事が判明、簡便できめの細かい地域分布の調査には精製法の開発が必要。 ・都内3地点(環状七号線沿道、新宿御苑、理科大学屋上)で1年間にわたってエア-サンプラーで採取したSPMのメタノール抽出物の活性酸素産生能を、ルシフェリン誘導体を用いた化学発光法により電子供与体の添加及び無添加系で測定し、幹線道路から離れた新宿御苑のSPMの方が環状七号線沿道で採取した物よりも単位重量当たりの活性酸素産生能が高く、1m_3当たりの活性では都内3地点で大差が無いことが判明した。 ・この様な地域分布や系日変動、季節変動に光化学反応が影響していることが日射量との相関性から示唆され、これをSPMや自動車排ガス微粒子の活性酸素産生能の光照射による変化から証明した。 ・SPM中の活性酸素産生原因物質の一つとして、ピレキノン等のピレン光分解生成物2種を同定した。 (2)尿中8-OHGu量に影響する因子の探索 ・東京都区内に居住する同一年令の男女各2名の尿中8-OHGu量の経日変化を1週間単位で測定、食事内容、服薬状況、運動量との関係を解析した。個体数が少なく明確な結論は得られていないが、通常の軽い運動(30分〜1時間程度のジョギング)では8-OHGu量の増加は認められなかった。 ・ビタミンE剤の服用及び禁煙(喫煙者の場合)により尿中8-OHGuレベルの低下が認められた。
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