1995 Fiscal Year Annual Research Report
キラルなフットプリントキャビティーによるキラル認識と立体選択的触媒作用
Project/Area Number |
06680560
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
森原 憲作 奈良女子大学, 理学部, 教授 (90029950)
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Keywords | 分子刷り込み / フットプリント / キラル認識 / 自動触媒 / 不斉増殖 |
Research Abstract |
1)生成物の立体構造の決定による自動触媒的不斉増殖反応についての研究実績の概要 1)meso型の(Z-L-Ala)-NH-(Z-D-Ala)を合成し、これを鋳型に用いて刷り込みを行なう最適条件を検討し,触媒を調製した 2)この触媒のmeso型の(Z-L-Ala)-O-(Z-D-Ala)基質に対する触媒作用においてZ-L-Ala-O,Z-D-Ala-Oの拮抗阻害作用を正確に測定し、立体選択的生成物阻害が認められりことを確認した。 2)この結果から化学動力学的に自動触媒的不斉増殖反応の起こっている可能性を確かめた。 3)生成物Z-Ala-O-DNPを光学異性体分離用カラム(SUMICHIRAL OA 4600)でキラル分析した。この溶液条件では生成物と基質分子の間で、転移反応が起こることがわかり、生成物分析では、まだ自動触媒的不斉増殖反応は最終的に証明できなかったが、他の光学異性体分離て生成物分析を試みている。 2)キラルなFootprint Cavityのエナンチオ選択効率の改善についての研究実績の概要 光学活性のL-プロリンのヒダントイン誘導体を調製し、刷り込みを行ない、エナンチオ選択的触媒作用を測定した。この触媒サイトは、固体触媒として前例のない程の高いエナンチオ選択性をしめした。この高いエナンチオ選択性は、単なるフットプリントの排除効果にもとずく"鍵と鍵穴"機構によるものでなく、ヒダントイン環を不斉認識することによる全く新しい機構によるものであることがわかった。この結果は新しい不斉合成を計画するの極めてに重要な指針を与えるものである。
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