1994 Fiscal Year Annual Research Report
染色体ドメインレベルでDNAメチル化・クロマチン構造を解析する方法の開発と応用
Project/Area Number |
06680669
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
佐々木 裕之 九州大学, 遺伝情報実験施設, 助教授 (30183825)
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Keywords | DNAメチル化 / クロマチン |
Research Abstract |
本研究は、染色体DNAの修飾やクロマチン構造を広範囲に効率よく解析する手法の確立を目的とする。そのため平成6年度は、従来のメチル化感受性制限酵素を用いる方法やヌクレアーゼ感受性に基づくクロマチン解析法を、大きなDNA断片の分離が可能なフィールドインバージョン電気泳動(FIGE)やパルスフィールド(PFGE)と組み合わせることを試みた。解析の対象として、マウスの7番染色体遠位部(ゲノムインプリンティングを受ける遺伝子群がある)を用いた。まず、7番染色体遠位部から単離されたYACやコスミドクローンを用いて、レアカッター制限酵素(SfiIやSse8387I)のマップを作成し、プローブとして用いるDNA断片を収集した。次にクロマチンを調べるため、マウス胎児から得た細胞核をDNaseIで処理し、FIGEで分画した後、サザンブロット法で解析した。その結果、少なくとも約30kbの領域にわたりDNaseI高感受性部位を検出できることが分かった。また、インスリン2遺伝子の下流にこれまで知られていなかった高感受性部位を新たに4つ発見した。DNaseI高感受性部位はしばしばエンハンサーなどの遺伝子調節配列と一致することから、本法は重要な配列をスキャンニングする方法として優れていると思われる。現在はさらに広い領域の解析に応用するためPFGEで検討中である。一方DNAメチル化に関しては、メチル化感受性制限酵素による部分消化後、FIGE、サザンブロッティングを用いて解析することを試みており、これは特にCpGアイランドの同定に有望である。現在は部分消化の最適条件の検討中である。平成7年度はこれらの方法を完成し、応用的研究を行う。
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