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1994 Fiscal Year Annual Research Report

細胞の形態変化に伴う細胞膜新生に関する研究

Research Project

Project/Area Number 06680685
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

荻原 哲  大阪大学, 理学部, 助教授 (30169221)

Keywords細胞膜 / エクソサイトーシス / 細胞外基質 / アクチン / 仮足
Research Abstract

(1)免疫電子顕微鏡によって細胞膜の前駆体の微細構造を同定した。
本研究の準備段階で私は細胞膜の前駆体が蛍光脂質ロ-ダミンフォスファチジルエタノールアミン(Rh-PE)と結合することを見いだしていた。抗Rh抗体を用いて電子顕微鏡レベルでRh-PEによって染色される構造を同定した。
(2)前駆体が細胞膜と融合することを確認した。
上記のRh-PEによって染色される小胞は細胞質中を原形質流動に乗って移動し、細胞の前端部で仮足領域に侵入した。仮足内で小胞は消失した。消失の直後、仮足の一部が突出した。電子顕微鏡観察によって小胞と細胞膜が融合していることを確認した。
(3)スライムを精製し、抗スライム抗体を作製した。
問題の前駆体は直径が約3ミクロンであり、内部にはスライムと呼ばれる粘液質の細胞外基質が含まれていた。これらの前駆体はゴルジ小胞や膜蛋白質のリサイクリングに関わる小胞構造とは異なっていた。細胞内でのダイナミックスを解析するために、スライムを精製し抗血清を作製した。
(4)突出部にはアクチン繊維が含まれていた。
突出部は光学顕微鏡と電子顕微鏡によってアクチン繊維を含むことが分かった。突出部は細胞外にあるスライムを押し出すように突出した。細胞膜の新生過程にアクチンの重合反応が含まれている可能性がある。
微細構造的に同定した細胞膜の前駆体は、光学顕微鏡でも観察可能なほど大きいため生きた細胞での膜融合や細胞膜拡大のダイナミックスの解析に適しており、系として将来性があると思われる。内容物が細胞外基質であったことも興味深い。以上の内容を日本細胞生物学会第47回大会(長崎)ならびに運動班班会議(大阪)で報告した。

URL: 

Published: 1996-04-08   Modified: 2016-04-21  

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