1995 Fiscal Year Annual Research Report
中枢ミエリン形成不全症の分子病理とモデルマウスの作製による病態解析
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06680741
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
岩城 明子 九州大学, 遺伝情報実験施設, 助手 (30253454)
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Keywords | ミエリン形成不全症 / プロテオリピド蛋白質 |
Research Abstract |
本研究の目的はミエリンプロテオリピド蛋白質(proteolipid protein, PLP)の異常で起こるPelizaeus-Merzbacher病(PM病)患者の遺伝子解析を進めると同時に、培養細胞レベルあるいは個体レベルでPLPの機能を解析し、両者の結果を相互にフィードバックしながらその変異と病態の関係を明らかにすることにある。PM病でPLP遺伝子のエクソンに変異が検出されるのは全体の1/3程度で過ぎない。そこで我々は遺伝子診断を迅速化するために7つのエクソンからなるPLP遺伝子を10個の領域に分割し、PCR-SSCP法により変異のある領域を同定してからその塩基配列を決定している。今年度はSSCP法に若干の改良を加えた結果、再現性よくPCR産物が得られ、安定した解析結果を得ることができた。今年度新たに依頼のあったPM病家系9家系について遺伝子解析を行ったところ、2家系において新たな変異(エクソンIIのミスセンス変異とエクソンIIIのスプライス変異)が見つかった。以前の結果と合わせてスプライス異常が原因と推定される家系は2家系となったが、まだ証明はされていない。PLPはその発現が中枢神経に現局しており解析が困難であるが、最近になって患者の皮膚線維芽細胞由来の培養細胞でわずかながらPLP遺伝子産物が発現しRT-PCRで検出可能であることが解かった。現在この系を使って、実際どのようなalternative spilcingが起こっているのか検討中である。
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