1995 Fiscal Year Annual Research Report
記憶の場として注目される海馬でのInsP3 3-kinseの生理的役割の解明(分子生物学的手法を用いて)
Project/Area Number |
06680756
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Research Institution | 山梨医科大学 |
Principal Investigator |
高沢 和永 山梨医科大学, 医学部, 助手 (60187945)
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Keywords | 記憶 / 海馬 / InsP_3 3-kinase / 分子生物学 / ジーンターゲッティング / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
申請者がすでにラット脳よりクローニングしているInsP_3 3-kinse-AのcDNAをプローブとしてマウスのgenomic libralyをscreeningし、数種類のクローンを得た。各種制限酵素を用い、得られたクローンを解析したところ、InsP_3 3-kinse-AはgenomicDNA上で約10kbの範囲にわたって存在していることが明らかになった。そこでこの10kbについて各種制限酵素を用いて種々のfragmentwo切り出し、M13ベクターに挿入し、その全DNA配列をサンガー法にて決定した。その結果マウスInsP_3 3-kinse-Aの遺伝子はラットInsP_3 3-kinse-AのcDNA配列を基にして解析したところ、7つのエクソンから構成されている事が明らかになった。これまでに申請者らはラットInsP_33-kinse-Aの触媒部位はその蛋白のC端側に存在していることを報告しているが、ちょうどその触媒部位をコードする領域が細かく6つのエクソンにより分断されており、酵素活性発現には必須でないN端側は比較的長い約500bpの1エクソンによりコードされていた。ゲノムDNAより予想されるマウスInsP_3 3-kinse-AのmRNA配列は、すでに申請者が報告しているラットInsP_3 3-kinse-Aのそれと比較し全長で93.9%の一致をみた。さらにそれぞれの蛋白の一次構造においては、98.7%の一致、99.6%の相同性を示した。 こうして得られたゲノムクローンを用いて、ジーンターゲッティング用のベクターを作成し、ES細胞に導入し、相同遺伝子組み換えをおこしたクローンをすでに得ており、さらにこのES細胞をマウス受精卵に戻し、キメラマウスを得ている。現在これらのマウスからgerminal transmitionを起こしたマウスが得られるのを待っている最中である。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] K Takazawa,et al: "Inositol 1,4,5-trisphosphate 3-kinase activity in FRTL-5cells" Journal of Endocrinology. 144. 527-532 (1995)