1995 Fiscal Year Annual Research Report
Cキナーゼの基質蛋白質NARCKSとGAP-43の神経伝達物質放出における役割
Project/Area Number |
06680773
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
谷口 寿章 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 助教授 (10257636)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古橋 潔 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 助手 (90222273)
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Keywords | 質量分析 / 蛋白質 / 構造解析 / 翻訳後修飾 / リン酸化 / シナプス |
Research Abstract |
申請者らは数年来、キャピラリーHPLCにエレクトロスプレー質量分析計を直結したLC/MS法を開発し、これを用いて、脳特異的リン酸化蛋白質の生体内での(in vivo)のリン酸化の解析を行っている.その過程で明らかとなったことは、従来Cキナーゼの生体内における主要基質と知られてきたMARCKSやGAP-43が、これらのキナーゼ以外の、MAPキナーゼ、Cdk5キナーゼなどのプロリン指向性キナーゼいわゆるSPキナーゼの基質となっていることである.本年度はキャピラリー高速液体クロマトグラフィーにエレクトロスプレー質量分析計をオンラインで結合したLC/MS法を用い、神経伝達物質放出の制御に重要な役割を果たしていると考えられているシナプシンIの生体内におけるリン酸化部位を詳細に解析した.試料はウシ脳膜画分から酸性抽出、或いは界面活性剤により抽出後、定法により精製したものを用いた.その結果、従来その寄与が示唆されていたCaMキナーゼI/IIによるリン酸化部位以外の部位でシナプシンIがリン酸化されていること、この新しく見出されたリン酸化部位の直後にプロリンが存在することが明らかとなった.このことから、MAPキナーゼやCdk5キナーゼなどのプロリン指向性キナーゼが、シナプシンIをリン酸化し、そのリン酸化が伝達物質制御に重要であると考えられる.実際、in vitroでMAPキナーゼやCdk5はシナプシンIをリン酸化し、そのリン酸化はシナプシンIとアクチン繊維との相互作用に影響することを見出した.
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[Publications] Manenti, S. et al.: "Demyristoylation of myristoylated alanine-rich C kinase substrate." Biochem. Soc. Trans.,. 23. 561-564 (1995)
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[Publications] Hayashi, N. et al.: "Structural studies of tRNAs by capillary high performance liquid chromatography/electrospray mass spectrometry." Nucleic Acids Res. Symp. Ser.34. 153-154 (1995)
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[Publications] 谷口 寿章: "キャピラリーLC/MS法による蛋白質・核酸の修飾の解析" J. Mass Spectrom. Soc. Japan. (印刷中). (1996)