1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06740053
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
小野 薫 お茶の水女子大学, 理学部, 助教授 (20204232)
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Keywords | シンプレクティック多様体 / J-正則写像 / フロア-ホモロジー / ループ空間 |
Research Abstract |
シンプレクティック多様体上の周期的ハミルトン系に付随する作用汎函数は、強不定値即、ヘッシアンの正・負の固有値がともに無限個あるもので、これを扱う手法としてフロア-は今フロア-ホモロジーと呼ばれる理論を展開した。その適用範囲を広げたいというのが主な目標である.弱単調な場合を扱った論文を出版できる形にしたというのも一つの成果である.更に一般の閉シンプレクティック多様体への拡張を試みているが、これは未だ成功していない。今後の課題として残された. 似た問題ではあるが、シンプレクティック多様体に埋め込まれたラグランジアン部分多様体の対に対してもフロア-ホモロジー理論がある。この場合ラグランジアン部分多様体のマスロフ指数が3以上であれば、計算はともかくフロア-ホモロジーの定義はなされていた。一方、完全ラグランジアン部分多様体(ボ-ア・ゾンマーフェルト軌道ともいわれる)のルジャンドル変形を行なうと、もとのラグランジアン部分多様体との交叉点の数がどのように下から抑えられるかというア-ノルドの問題に動機づけられ、シンプレクティック多様体の前量子化束の中でのラグランジアン部分多様体対に対するフロア-・ホモロジーを考えることとなった。私の出会った状況ではマスロフ指数が2となり、上で述べた一般論ではうまくゆかない,そこで零切断が概複素部分多様体である事に留意し、作用汎函数のグラディエントラインと零切断の交点数を定義し、これが0となるグラディエントラインのみを用いてフロア複体を構成する事に成功した。ある条件の下では計算もでき、前述のア-ノルドの問題に部分的ながら答えることができた。
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[Publications] Kaoru Ono: "On the Arnold conjecture for weakly monotone symplectic manifolds" Inventiones mathematicae. 119. 519-537 (1995)
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[Publications] Le Hong Van,Kaoru Ono: "Symplectic fixed points,the Calabi invariant and Novikov homology" Topology. 34. 155-176 (1995)
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[Publications] Kaoru Ono,Stephan Stolz: "An analogue of Edmonds'theorem for loop spaces" Contemporary Mathematics. 179. 241-260 (1994)