1994 Fiscal Year Annual Research Report
表面をSTM/AFMで修飾した基板上への結晶成長に関する研究
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06750004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
上野 啓司 東京大学, 大学院理学系研究科, 助手 (40223482)
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Keywords | 原子間力顕微鏡 / AFM / フラーレン / 分子性結晶 / 層状物質 / 水素終端シリコン |
Research Abstract |
本研究は、Mos_2やGaSeなどの層状物質基板の表面、または表面を水素終端によって不活性化したSi(111)基板表面を、走査型トンネル電子顕微鏡(STM)や原子間力顕微鏡(AFM)を用いて原子スケールで修飾・加工を行い、その上に他の有機物質や化合物半導体を成長することで、原子スケールで成長様式や構造を制御し、任意のパターン描画を実現できる手法の開発を目的とする。本年度はまず最初に、これらの物質の様に表面が不活性な基板を、何らかの手法で加工した際に形成されるステップ等の活性部位に対し、結晶成長がどのように進行するか、を検証するために、(1)水素終端Si(111)基板、(2)螺旋成長した層状物質GaSe薄膜、の各基板上へ、分子性結晶であるC_<60>の成長を行った。 (1)の水素終端基板上では、基板表面に残った終端の不完全な部分で核形成が起こり、C_<60>分子がデンドライト形状の島状成長をすることが、基板温度を変えて行った一連の測定から確認された。完全な水素終端を行った上で、STMの探針で表面の水素原子を選択的に脱離させることが出来れば、任意の位置にC_<60>分子を吸着・成長させることが可能であるといえる。 (2)の螺旋状GaSe薄膜上には螺旋の各ステップ端に活性部位が存在すると考えられるが、C_<60>分子はまずそのステップ端に吸着し、次に螺旋のテラスを埋めて成長していく様子がAFMによって観察された。すなわち、平坦な層状物質基板上に溝状のステップを形成すれば、C_<60>分子などはその中で選択的に成長すると期待される。現在そのような溝状構造の作製の実験を進めており、分子性結晶による微細構造の物性測定を目指している。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] K.Ueno,M.Sakurai,A.Koma: "Van der Woals epitaxy on hydrogen-terminated Si(m) surfaces and investigation of its growth mechanism by atomic force microscope." Journal of crystal Growth. (印刷中). (1995)