1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06750242
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
森山 裕幸 東海大学, 工学部, 専任講師 (60200458)
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Keywords | 構造解析 / 薄肉構造 / 円筒殻 / 音響加振 / 音響放射効率 / 曲げ波 / 伝搬速度 / 粒子速度 |
Research Abstract |
多方面に使用される薄肉構造体は機械的な振動ばかりでなく音響エネルギによる加振を受けることがあり,構造系の音響疲労に代表されるような強度問題やさらには内部搭載機器への影響についても十分な考慮が必要である.そこで本研究では音響加振を受ける薄肉円筒殻の振動特性と音響特性との関連から,その動的な応答特性について実験的に検討した. 実験は肉厚が0.1mmのポリエステルフィルムで製作した試験円筒殻(半径60mm,長さ300mm)に音響エネルギを入力することによって加振した.このとき壁面近傍に設置した非接触変位計とコンデンサマイクロホンおよび壁面上のひずみゲージにより,壁面の挙動を同時に測定した.ただし,音源の加振周波数feは管路系(音響エネルギを入力するための管路)と円筒殻内部空間の共鳴周波数とした. 音響パワーの増大に伴う殻壁の振動および音響特性は,加振周波数に関わらずfeに相当する周波数f_<1.0>(=fe)の整数倍の成分が卓越する特性から,f_<0.5>(=fe/2)の整数倍の周波数成分が卓越するパラメトリック主不安定振動へと変化する.同時に測定している殻壁上のひずみ特性は各ピーク成分の相対的な関係は異なるものの,殻壁の振動および音響特性と類似なスペクトルになる.またひずみゲージより検出した殻壁上のひずみ分布は管路および円筒殻内部の音圧分布と比較してみると,その傾向は粒子速度分布に強く依存することがわかった. 次に殻壁からの放射音について,上記振動特性と音響特性との関連から検討した.その結果,殻壁の音響放射効率は高加振周波数および高次の周波数成分になるほど大きくなることわかった.このことはひずみデータより見積った殻壁曲げ波の伝搬速度でも確認している.
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