1994 Fiscal Year Annual Research Report
広視野角・高速応答を実現する新しい液晶表示モードの解析と設計指針の確立
Project/Area Number |
06750340
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
郭 振隆 東北大学, 工学部, 助手 (10250698)
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Keywords | 液晶ディスプレイ / OCBモード / 広視野角 / ベンド配向 / 光学補償 / 黒状態の電圧 / 弾性定数比 / 階調反転 |
Research Abstract |
1.はじめに 液晶ディスプレイの最大の問題は視角が狭いことであるが、これを解決するために、私達の研究グループではベンド配向の液晶セルを用いたOCBモードを提案してきた。本研究では、このモードにおいて上下方位の視角特性をさらに向上させるために光学特性の詳細な解析を行い、最適設計指針を明らかにした。 2.最適な暗状態電圧 まず、上下方位の視角特性の拡大化のために液晶層の光学特性を詳細に調べた。この結果、上下方位の視角特性は、印加電圧に強く依存し、複屈折フィルムでは補償できない「固有の光の漏れ」が存在することを明らかにした。広視角化には、この光の漏れを最小にする印加電圧で暗状態が得られるように設計することが最適であることを示した。 異方性媒体の厚さ 液晶セルの厚さを変えて設計を行った結果、セルを薄くすることにより、固有の光の漏れを最小にできることが分かった。一方、透過率の変化を最大にするには、液晶層を十分厚くする必要がある。また、所望のベント配向を用いるためには、印加電圧をスプレイとベンドの臨界電圧より常に高く設定しておく必要がある。これらの条件から複屈折量の制御可能範囲が決まる。広い視角を維持したまま、この範囲を十分な明るさとコントラストが得られる条件まで広げるためには、液晶のベンドとスプレイの弾性定数の比k_<33>/k_<11>が小さい液晶材料を用いることが最も有効であることを明らかにした。 4.結果 以上の設計指針に基づいてOCBセルを作製した。この結果、左右方位は中間調の反転が全く無く、上下左右共にコントラスト20以上で100°以上の広い視野角が得られる非常に優れた特性が実現できることを確認し、OCBセルの基本的設計方針を確立することができた。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] C-L.Kuo,T.Miyashita,M.Suzuki,T.Uchida: "Improvement of Gray-Scale Performance of Optically Compensated Birefringence(OCB)Display Mode for AMLCOs" SID Technical Digest. 15. 927-830 (1994)