1994 Fiscal Year Annual Research Report
光駆動リポソーム系イオン選択濃縮システム開発のための基礎研究
Project/Area Number |
06750832
|
Research Institution | Teikyo University of Science & Technology |
Principal Investigator |
松岡 浩 西東京科学大学, 理工学部, 助教授 (30190424)
|
Keywords | バクテリオロドプシン / リポソーム / 能動輸送 / イオン選択濃縮 |
Research Abstract |
高度好塩性細菌の作る光駆動プロトンポンプ機能をもつ膜タンパク質バクテリオロドプシン(BR)を、リポソームに配向固定化することを目的として研究を行ってきた.BRをリポソームに組み込むとき、BRはプロトンを内向輸送するようにリポソームに配向固定されるので、その共役イオンは外向輸送されることになり、リポソーム内に共役イオンを選択濃縮することはできない.したがって、BRを固定化し、特定イオン濃縮システムを開発するに当たっては、プロトン外向輸送配向固定化技術BR-リポソームへのは不可欠である.BRは大きな双極子モーメントを持っていることから考えて、リポソーム表面の微細な荷電環境がBRの配向固定化に大きく影響することが考えられるので、リポソーム表面荷電状態を系統的に変えることによるBRの組み込み状況の変化について検討を行った. リポソーム作成は界面活性剤除去法により行い,まず,リポソーム作成におけるリン脂質:コール酸の最適濃度比を決定した.つづいて,リポソームを構成するリン脂質として大豆レチシンあるいは卵黄リシチンとするBR-リポソームを作成し,光照射時にプロトンを内向輸送することを確認した.これら標準リポソームに正荷電を持つステアリルアミンを混合したリポソームを作成し,BRをこれに組み込んだ.その結果,ステアリルアミン混合量の増加に伴い,光照射時におけるプロトンの内向輸送量の減少が確認された.しかしながら,現実験段階では,光照射時におけるプロトンの外向輸送までは確認されていない.現在,さらに検討を行っているが,光照射時におけるプロトンの外向輸送が確認されれば,イオン選択的キャリアをリン脂質内に同時封入して特定イオンの能動輸送速度を測定する予定である.
|