1994 Fiscal Year Annual Research Report
PCR法を用いた土壌中の硝酸化成微生物の生態学的研究
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06760061
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
横山 和平 香川大学, 農学部, 助教授 (10230658)
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Keywords | アンモニアモノオキシゲナーゼ遺伝子 / PCR / Nitrosomonas europaea / 土壌DNA / アンモニア酸化菌 / 従属栄養性硝化菌 / メタン酸化菌 |
Research Abstract |
アンモニアモノオキシゲナーゼ遺伝子(amo)を持つ、Nitrosomonas europaea、Nitrosolobus multiformis、対照としてメタン酸化菌Methylococcus capslatus(Bath)、亜硝酸生成能を持つ従属栄養細菌Bacillus subtilis、Pseudomonas aeruginosa、及び土壌から単離した細菌(未同定)2株、放線菌(未同定)1株、亜硝酸酸化菌Nitrobacter winogradskyとNitrococcus mobilisを供した。土壌から抽出・精製したDNAについても検討した。PCRに用いたプライマーは、N.europaeaのamoを基に、センス側をamoA前半とし、アンチセンスをamoA後半とamoB前半とした2組を用いた。 PCRの結果、N.europaeaからは、amoAからamoBにまたがる領域(852bp)を標的としたときに、。1Kbpと1.5Kbpの増幅産物が得られた。amoA内を標的とした場合には、890bp〜2.5Kbpまでの6本の増幅産物が得られた。増幅産物はドットブロットで陽性だったが、サザンハイブリダイゼーションでは、安定した結果が得られず、目的領域を含むバンドは特定できなかった。N.europaea以外からは増幅産物が得られなかった。土壌から抽出・精製したDNAを鋳型としてPCRしたところ、比較的亜硝酸生成能の高い土壌からN.europaeaと同様に1Kbpの増幅産物を得た。今後は、N.europaeaと土壌から得た1Kbpの増幅産物のクローニングとシークエンスを行う予定である。 以上より、amoを標的として、土壌中のN.europaeaを選択的に検出できる可能性が見いだされた。今後、他のアンモニア酸化菌やメタン酸化菌をモノオキシゲナーゼ遺伝子を標的として検出するためには、N.europaea以外のamoの塩基配列を明らかにし、保存領域や変異領域を特定することが必要である。
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