1994 Fiscal Year Annual Research Report
カワラタケによるLCC中の糖・リグニン間結合の開裂に関する研究
Project/Area Number |
06760163
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
辻山 彰一 京都府立大学, 農学部, 助手 (40254320)
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Keywords | 木材腐朽菌 / LCC / ペルオキシダーゼ |
Research Abstract |
バニリルアルコールからキノンメチドを調製し、グルクロン酸に付加させることによりLCCエステル化合物を合成した。一方、カワラタケを各種炭素源(木粉・リン酸セルロース・MWL・アカマツグルコマンナン・アカマツキシラン・アカマツLCC-W)を含む培地において培養し、培養ろ液を酵素標品とした。本酵素液を用いLCCモデルの分解を試みたところ、いずれの場合も過酸化水素添加条件でバニリン酸が検出できた。本反応はアジ化ナトリウム存在下で阻害され、ペルオキシダーゼ反応による可能性が示唆された。電気泳動によるアイソザイム分析の結果、いずれの酵素液も数種のラッカーゼ・ペルオキシダーゼを含んでいた。 しかしながら、基質として用いたLCCモデル化合物は非常に不安定であり、合成・精製過程においてロスが大きいため定量的な結果がまだ得られていない。これはp位のフェノール性水酸基の影響であると考えられるため、保護基の選択とともに新たな合成法を検討し収率を上げる必要があると考えられる。
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