1994 Fiscal Year Annual Research Report
麻薬・覚醒剤中毒におけるFAD含有モノオキシゲナーゼの酵素学的役割についての研究
Project/Area Number |
06770319
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山崎 元彦 大阪大学, 医学部, 助手 (30230410)
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Keywords | 麻薬 / 覚醒剤 / FAD / モノオキシゲナーゼ / 薬物代謝 / 酵素系 |
Research Abstract |
麻薬・覚醒剤中毒の発現機序は、代謝経路を含め解明すべき多くのことが残っている重要なテーマであるが、麻薬・覚醒剤代謝に関与する薬物代謝の酵素系については未だ充分には解明されていない。そこで、麻薬・覚醒剤代謝に関与する酵素系の中で特にFAD含有モノオキシゲナーゼに注目した。 人屍例での精製をする前に、まず精製過程での比較をするために、ブタの肝臓ミクロゾーム分画からFAD含有モノオキシゲナーゼを精製した。精製は、イオン交換(DEAE-Sepharose)、アフィニティ(Blue-Sepharose,Red-Sepharose,Chelating Sepharose)、ハイドロキシアパタイトの各種カラムクロマトグラフィにより、電気泳動的に均一に調製した。分子量は、56,000と計算された。同酵素は典型的なフセビン酵素の吸光度を示し、450nm,377nm,272nmに極大値を示した。 次に、人屍例の肝臓ミクロゾームより同酵素の精製を試み、その酵素学的性質を検討した。精製過程では、ブタと異なり、Blue-Sepharoseカラムクロマトグラフィにて、二つのピークが認められた。また比活性の上昇はブタと比べて低かった。分子量は、55,000と計算された。同酵素は、フラビン酵素の吸光度を示し、450nmに極大値を示した。基質の一つであるメチマゾールに対するKm値は、10.2μMと計算され、NADPHに対するKm値は、28.3μMと計算された。 以上のことより、FAD含有モノオキシゲナーゼは、種特異性があることが示された。
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Research Products
(1 results)